フェルスタッペン、課題抱えるメルセデスを尻目に最速締め…キャリアベストのF1開幕前テストも「何の保証にもならない」

レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン、2021年3月14日にバーレーン・インターナショナル・サーキットで行われたF1テスト3日目の記者会見にてCourtesy Of Red Bull Content Pool

2021年F1バーレーンテスト最終3日目セッションを振り返ったレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは、プレシーズンテストとしては「キャリアベストの出来」であったと認める一方、テスト結果はレースリザルトを保証するものではないとして冷静な姿勢を誇示した。

砂嵐に見舞われた初日のRB16Bの挙動を見ても明らかなように、2021年型のレッドブル・ホンダのマシンは前期型が弱点としていたリアの不安定さを克服しているように見える。

オンボード映像を見る限り、フェルスタッペンが忙しなくステアリング修正する様子はなく、テスト最終日には3日間の全車ベストとなる1分28秒960のファステストを刻み、最速の称号と共にこれを締め括った。

対照的にライバルのメルセデスは車体リア側の安定性を欠いていた。

ルイス・ハミルトンはこの日の最終盤、パフォーマンスランに向けてのアウトラップの最終コーナーで、トラクションを掛けた際にリアを失い計測を断念した。再度C5タイヤを履いて計測に向かったがクルマの挙動は安定せず、フェルスタッペンから1秒落ちの5番手に甘んじた。

フェルスタッペンは今回のテストがキャリアベストの出来であったと認めた上で「満足できる週末を過ごせたと言って良いと思う」としながらも「当然それは何の保証にもならない。テストでは各チームがどんなプログラムに取り組んでいるか分からないからね」と気を引き締めた。

「今日も計画していた全てのプログラムをこなす事ができたし良い1日になったと思う」

「(この前走行した)テスト初日とはコンディションが少し違っていたから、それに合わせて少しずつクルマを調整していかなきゃならなかったけど、テスト全体と同じ様に本当にスムーズな1日だった」

「僕らは何時だって改善できる箇所を追求しているし、もちろんまだ取り組みたい部分はあるけど、それはどのチームにとっても同じ事だ」

「自分たちの実力については2週間後の予選Q3で明らかになるはずだけど、全体的にクルマのフィーリングは良いし、僕としてはレースが楽しみだ」

最終日の午後を担当したフェルスタッペンは64周、午前にドライブしたセルジオ・ペレスは49周と、過去2日間に比べるとこの日のレッドブル・ホンダの周回数は限定的であったが、これはプログラムの違いによるものだ。

レースエンジニアリング部門を率いるギヨーム・ロケリンは「最初2日間とは異なり、今日はマシンを最適化と理解に重点を置いたため、セットアップの項目を増やし、走行時間を短くしてガレージでの作業時間を増やした」と説明し、次のように続けた。

「開発作業と並行して、クルーとドライバーの作業手順やピットストップ速度の改善にも力を入れた。両ドライバーともに同じような計画の下で走行に臨み、同じような結果を得ることができた。テストとしては全体的にポジティブだったと思う」

3日間に渡るテスト日程は全て終了した。チームは2週間後の3月28日の開幕バーレーンGPに向けて最後の調整に取り組む。

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