ホンダ、開幕占うF1テストを1-2締め…高い信頼性で3日間4281kmを走破「中身の濃い貴重なデータを収集」
3日間に渡るバーレーンでのF1公式テストが14日に閉幕し、ホンダ製F1パワーユニット(PU)を搭載する2チームは最終日のタイムシートで1-2体制を築き、本州1往復半弱に相当する延べ4281kmを走破した。
メルセデスやアストンマーチンといったライバルが信頼性不足で走行時間を失う中、ホンダPU「RA621H」とこれを積む2チームのマシンは高い信頼性を発揮した。この3日間でレッドブルは369周、アルファタウリは422周を走り込み、ホンダとしては計791周のマイレージを稼いだ。
ホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターは「PUに関するマイナーな問題も散見されたものの、レース本番を前に問題を見つけることもテストの目的です。ここまではマシンを止めるような大きなトラブルなく、予定通りにプログラムを消化し充実のテストとなりました」と説明した。
最終日の午前にレッドブル・ホンダRB16Bをドライブしたセルジオ・ペレスは、異なるセットアップを試しながらマシンの挙動について理解を進め49周を走り込み、5種類中3番目に柔らかいC3コンパウンドで1分30秒187のベストタイムをマーク。午前のトップに立った。
一方のアルファタウリはピエール・ガスリーが午前を担当。AT02で76周を走破し、総合12番手タイムでテストを終えた。
午後のセッションにはマックス・フェルスタッペンが登場。レース本番の時間帯に近い日没後にC4タイヤで1分28秒960のテスト最速タイムを刻んだ。
同じく午後のセッションを担当した角田裕毅は91周を走破。終盤には最も柔らかいC5タイヤを履き、首位フェルスタッペンに0.093秒差と迫る2番手タイムをマークし、順調な仕上がりを印象付けた。
田辺豊治テクニカル・ディレクターは「開幕戦に向けて走行距離を伸ばせただけでなく、中身の濃い貴重なデータが収集できた」と述べ、2週間後に控える開幕戦に向けて更なる改善に取り組んでいくと誓った。
「問題点を潰すべく、テストで得たデータを解析するなどエンジニアやメカニックにとってはまだまだ忙しい時間が続きます。我々の実力が見えるのは2週間後の予選とレースを終えてからになると思いますが、ここからの準備も最善を尽くして臨みたいと思います」
ホンダは開幕戦バーレーンGPに向けて、テストで得た内容を分析しながらラストシーズンでのスタートダッシュを目指して更なる準備を進めていく。シーズン初戦は3月26日(金)に開幕し、28日(日)に決勝レースが行われる。