ピレリ、桃色”ハイパーソフト”と橙色”スーパーハード”を2018年F1に投入。戦略の多様性目指す
Published: Updated:
11月23日(木)、フォーミュラ1世界選手権にタイヤを供給するピレリ(伊)は、2018年タイヤラインナップを公開した。来シーズンは、桃色”ハイパーソフト”と橙色”スーパーハード”の2つの新しいコンパウンドが投入され、計7つのスリックタイヤが用意される。コンパウンドの別に関わらず、これら7つのタイヤは全て今年よりも柔らかめに製造され、より大きなグリップをマシンにもたらす。
- 橙色…スーパーハード
- 水色…ハード
- 白色…ミディアム
- 黄色…ソフト
- 赤色…スーパーソフト
- 紫色…ウルトラソフト
- 桃色…ハイパーソフト
© Pirelli
ブリジストンの後任として2011年にF1に復帰して以来、ピレリは毎シーズン毎にラインナップを変更するとの自社理念に則り、各タイヤのコンパウンド及び構造を再設計し続けている。最も柔らかいコンパウンドとなるピンク色の「ハイパーソフトタイヤ」は、モナコやシンガポール等の空力ではなくメカニカルなグリップが必要とされるサーキットに適している。
「特定の状況下において、幾つかの今年のコンパウンドが保守的であった事を認識しています」ピレリのカー・レーシングヘッドを務めるマリオ・イゾラは語った。「この問題の改善に取り組むべく、多くのレースにおいて2回もしくは3回のピットストップが行われるようにとの意図の元、2018年タイヤを開発しています」
今年5月の第5戦スペインGPで今シーズン初めて投入されたハードタイヤは、チームやドライバーから「硬すぎる」との批判に晒されお蔵入りとなった。フォース・インディアのセルジオ・ペレスは「撮影用」と切り捨てた。ピレリはタイヤトラブルによって自社の看板に傷がつく事を恐れるあまりに、パフォーマンスよりもレース中における安全性を重視し過ぎた。
ハードタイヤのみならず全てのコンパウンドが硬めに振った作りであったため、各コンパウンド間の差異は縮小、結果として5つのタイヤの存在価値が失われた。また、硬すぎるが故に今シーズンのグランプリでは1ストップレースばかりとなってしまい、戦略は画一的となってしまった。7種類のタイヤを用意する事で、ピレリは各サーキットに応じたタイヤを提供しやすくなると共に、ショーの動向をデザインしやすくなる。イゾラは来季タイヤに自信を示している。
「タイヤの基本的な設計コンセプトは変更されません。また、今年ドライバー達が高く評価した部分に関しては来季も継続していきます。新タイヤは、各スティントのスタートからフィニッシュまでを全力でプッシュできるようになっています。一新されたタイヤレンジによってスピードは向上し、2018年は更にチャレンジングかつ壮大なレースになるでしょう」
F1チームとドライバーは、アブダビGP終了後の火曜日と水曜日に行われるテストで、今日発表された18年型の新しいタイヤを試す初めてのチャンスを得る。アブダビでの2日間のテストの後は、2018年2月26日から3月1日まで開催されるシーズン前バルセロナ公式テストを経て開幕戦となる。