オーストラリア・メルボルンで行われたレッドブル・アンシリアス・レースに参加するセルジオ・ペレス(レッドブル)と角田裕毅(RBフォーミュラ1)、2024年3月20日(水)F1オーストラリアGP
Courtesy Of Red Bull Content Pool

セルジオ・ペレス「良いこと」自身のシートを狙う角田裕毅に理解、シーズン途中解雇のリスクは如何ほどか

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セルジオ・ペレスは、自身が持つレッドブル・レーシングのF1シートが狙われていることに問題はないとして角田裕毅(RBフォーミュラ1)に理解を示すとともに、シーズン途中に解雇されるリスクには晒されていないと示唆した。

成績不振からベルギーGP後の夏休み中にも解雇される可能性があると見られているペレスの後任としてリアム・ローソンが取り沙汰されていることついて角田裕毅は、自身の方が相応しいと主張した。

米ESPNによると、木曜のハンガロリンクで角田裕毅の発言について尋ねられた34歳のメキシコ人ベテランドライバーは「トップシートの1つである以上、ユーキが昇格を望むのは当然だ」と語った。

「下位のシートにいる場合、上に行きたいと思うのはごく自然なことだと思う。それはこのスポーツの本質の一部であって、僕はそれに抗うつもりはない。F1で高い志を持つことは良いことだと思う」

昨年までのような圧倒的な優位性が失われたとは言え、マックス・フェルスタッペンは過去12戦で7勝を挙げている。その一方でペレスは同じRB20に乗りながらも、ここ8レース連続で表彰台に立てておらず、両者の獲得ポイントは2倍以上にまで拡大した。

マクラーレンを筆頭にライバルチームは驚異的な勢いでギャップを詰めてきており、ペレスの復調なくしてレッドブルがコンストラクターズ選手権リーダーの座から陥落するのは避けられそうにない。

噂では、ベルギーGP終了時点でフェルスタッペンとの差が101点以上である場合、あるいはフェルスタッペンよりもランキングが6つ以上下回った場合、レッドブルは契約のパフォーマンス条項を使ってペレスを解雇することができるとされており、パドックでは後任に関する憶測が過熱している。

ペレスは「外部の雑音」をシャットアウトするのが難しいと認めつつも、少なくとも今シーズンの最終アブダビGPまでは、自身がシートを維持するに値することを証明するためのチャンスがあると仄めかした。

「僕はこの業界に長く携わってきたから、アブダビを終えてどういった結果を残すのかが重要だと分かっている。だから、ジェットコースターのような日々を乗り切って、できるだけ早く調子を戻したいと思っている」とペレスは語った。

イギリスGP後に、次の2レースが鍵になると発言したことについては、キャリアの分かれ道になるという意味ではなく、「良い気分で休暇を迎えたい」との意味に過ぎず、パフォーマンス条項を含めた契約の詳細については「当然、話すことはできない」と説明した。

また、チーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーからサマーブレイク以降のシートについて保証を得ているかと尋ねられると「契約を更新したのはつい最近のことだ。僕らにとって、そしてチームにとって、それは現実的な問題じゃない。重要なのはコース上でのパフォーマンスやファクトリーでの取り組みなど、自分たちがコントロールできることに集中することだ。残りはすべて外部の雑音に過ぎない」と返した。

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