ウィリアムズのジョージ・ラッセル、2020年F1アイフェルGPにて
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ジョージ・ラッセル、シート喪失の危機…セルジオ・ペレスが2021年ウィリアムズの候補に

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“シリーシーズン”とはよく言ったものだが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックで将来不透明な状況にさらされている今季のF1は、まさに文字通りの「愚かなシーズン」となりつつある。

まだ噂レベルではあるが、セルジオ・ペレスが2021年のウィリアムズのシート候補に取り沙汰されており、将来有望と目されるジョージ・ラッセルの来季が不透明な状況となりつつある。

セバスチャン・ベッテルの来季アストンマーチン入りが決定した事で、英国シルバーストンのチームを追い出されたのは、チームオーナーの息子ではなく、明らかに格上のセルジオ・ペレスの方であった。

ウィリアムズは長引く財政不安に加えて新型肺炎が大きな打撃となり、今年9月に米国の投資会社であるドリルトン・キャピタル・マネジメントLLCが運用するファンド、BCEリミテッドに株式を売却。クレア・ウィリアムズを含む旧役員らが退任し、新たな旅路を歩み始めた。

ウィリアムズは今年7月に、来季もジョージ・ラッセルとニコラス・ラティフィのコンビを継続する事を発表しているが、報道によると、ドリルトンは商業的な観点を理由に、魅力的なスポンサーを持つメキシコ人ドライバーとの間で話し合いを行っており、ラッセルが他のチームと接触を開始したと伝えられている。

一部にペイドライバーとも揶揄されたラティフィは、今季これまで堅実なパフォーマンスを残してきたが、結果としてみればラッセルに予選全敗を喫している。しかしながら、旧体制のウィリアムズを金銭的に支えていたのはカナダ人大富豪を父に持つラティフィであり、契約解除が疑われるのはラッセルの方だ。

サプライズ人事が噂されているのはウィリアムズだけではない。

ハースはケビン・マグヌッセンとロマン・グロージャンの両ドライバーを解雇し、多額のロシアンマネーをバックボーンとするニキータ・マゼピンと、フェラーリからの”献金”が期待できるミック・シューマッハあるいはロバート・シュワルツマンを起用する方針を固めつつあるとされる。

またレッドブル・ホンダに関しては人事権を持つヘルムート・マルコが、アレックス・アルボンが”期待された成績を収められない場合”、ペレスあるはニコ・ヒュルケンベルグを起用する考えを仄めかしている。

仮にヒュルケンベルグやペレス、ラッセルが来季シートを掴めない結末になるとすれば、モータースポーツ最高峰を謳うF1が聞いて呆れるというものだ。