2019年F1中国GPオープニングラップでのミッドフィールドの混戦copyright Getty Images / Red Bull Content Pool

クビアトへのペナルティは「前代未聞の馬鹿げた裁定」と元F1ドライバー、審判団の資質に疑問

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元F1ドライバーのジョリオン・パーマーは、第3戦中国GPで発生した接触事故に関するダニール・クビアト(トロロッソ・ホンダ)へのジャッジは「馬鹿げた」ものであり「前代未聞の過剰っぷり」だと酷評。レーススチュワードの資質に疑問を呈している。

決勝のオープニングラップ。ターン6に差し掛かった時、混戦のミッドフィールドでクラッシュが発生した。キミ・ライコネン(アルファロメオ)にオーバーテイクを仕掛けようとしたランド・ノリス(マクラーレン)がアウト側にコースオフ。その内側では、クビアトがカルロス・サインツ(マクラーレン)とサイド・バイ・サイドになりながらエイペックスを通過していた。

コーナーからの脱出の際にオーバーステアに見舞われたクビアトのリアが外側へと流れ、間近に迫っていたサインツと接触。その反動で、コース外から戻ろうと右に寄せてきたノリスと激突した。ノリスのクルマは右側2輪が大きく宙に舞い、3人のレースは早くも終りを迎えた。

レーススチュワードは「クビアトの完全なミスによって生じた事故」だと結論づけて、競技罰則の中で最も過酷なドライブスルー・ペナルティーを宣告。クビアトはダメージが大きかった事もあり、エンジンマイレージをセーブするため42周目にリタイヤと相成った。

「スチュワードはクビアトに過失があるとみなし、ドライブスルー・ペナルティーを科したが、僕はレーシングアクシデントだと考えている。馬鹿げだ程に厳しい裁定だ」とジョリオン・パーマー。BBC Radio 5のコメンテーターとして、時に辛辣な批評が好評の元ルノードライバーは、F1公式サイトにコラムを寄稿。その中で審判団の裁定を批判した。

「的はずれに厳しい裁定が下ったのは、クビアトが”魚雷”というアダ名を付けられている事が一因だと考えている。評判の悪いドライバーのせいにするのは、いつだって簡単なことだ」

「マクラーレンの2台がスタートと同時に事実上のレース終了となり、ノリスのクルマが宙に舞い上がった事も、このクラッシュが実態よりも悪いものであるかのように見せかけてしまった」

「実際のところ、このインシデントで潔白な者はいない。コース外から戻ろうとしていたノリスは3人の中で最も責められるべきではないかもしれないが、サインツは他の二人と接近しすぎる可能性が高い際どい場所に向かってクルマを走らせていたし、クビアトはホイールスピンを起こした事で、予想よりもワイドに膨らんでしまいサインツに突っ込んでいった」

「だが、ホイールスピンのためにこれほどの責を負う事はあり得ない。フェルスタッペンとクビサがウォームアップラップの際にスピンしていた事からも明らかなように、レース開始時のタイヤ温度は低かった。僕に言わせれば、あれはそれと同じ種類のインシデントだ」

「クビアトにドライブスルーを科すという判断は、あまりにも過剰だ。他のインシデントと比べると冗談のように思える。バーレーンGPでストロールがグロージャンに接触した際はお咎めなしだったし、去年のフランスGPでベッテルがボッタスに突っ込んだ時は5秒のタイムペナルティだった。それに、同じ2018年のシルバーストーンでライコネンがハミルトンと接触したときにも10秒ペナルティだった」

「この程度のアクシデントに対してドライブスルーが科せられるのは前代未聞だ。これによってクビアトは20秒の後退を強いられ、彼のレースは事実上終わってしまった」

上海のレースでスチュワードを務めていたのは、マクラーレンの創設者、テディ・メイヤーの息子ティム・メイヤーと、2005年よりイギリスGPのサポート・レーススチュワード長を務めるスティーブ・ストリングウェル、そして英国レーシングドライバーズクラブの元会長のデレク・ワーウィックの3名だ。