エステバン・オコン「目に余る歪曲」を非難、僚友ガスリーとの事故を経て…F1カナダGP出場を主張
F1第8戦モナコGPでの僚友ピエール・ガスリーとの接触事故を経てエステバン・オコンは、「中傷や否定的な意見の多さ」に心を痛めていると明かすと共に、一件を巡っては「誤った情報に基づく発言と目に余る歪曲」が広まっていると非難した。
また、アルピーヌのブルーノ・ファミン代表が懲罰の一環として、ジル・ビルヌーブ・サーキットで行われる次戦カナダGPでのオコンの出場停止を検討しているとの見方がある中、出場する予定だと主張した。
オコンは2024年5月31日(金)にリリースされた長文の声明の中で、今回の一件は自身の「ミス」であると改めて認めつつも、ドライバーは「ロボット」ではなく、F1というスポーツで限界まで挑戦するアスリートであると釈明した。
「モナコグランプリを経て色々な事が言われている。僕をサポートしてくれるたくさんのメッセージを受け取った一方、僕の性格やドライビング、キャリアに関するオンライン上の中傷や否定的な意見の多さに深く胸を痛めている」とオコンは綴る。
「2016年のデビュー以来、たくさんの人達の努力やサポートのおかげで僕は、140戦以上のグランプリでレースをしてきた。僕は一貫してタフな競争者であり続けてきたし、他の多くのドライバー達と同じ様に何度か事故を経験してきた」
「ダニエル(リカルド)、チェコ(ペレス)、ピエール(ガスリー)、そしてダブルチャンピオンのフェルナンド(アロンソ)など、才能と経験豊かなチームメイトと一緒にレースをする幸運に恵まれた。チームメイトとして僕らはしばしば、かなり近い位置からレースを始めることがあり、その結果、トラック上での厳しいバトルや時には接触に至る事もあった」
「正直に言ってミスを犯したこともある。僕らはロボットではなく、レースで勝ち取るという夢を実現するために日々、限界に挑戦するアスリートだ」
「F1は感情が高ぶり、情熱が深まるスポーツだ。良いことも悪いことも含めて、毎週末に渡ってコースやソーシャルメディアでそれらを目にしてきたし、そう感じてきた。でも、僕のチームプレイヤーとしての能力に関して、ここ数日に渡ってネット上で見聞きした誤った情報や目に余る歪曲は不正確で、人を傷つけ、害を与えるものだった」
「キャリアの最初のラップ以来、僕は謙虚さ、プロ意識、敬意を持ってこのスポーツに取り組んできた。これらの価値観は幼い頃から教え込まれたものだった」
「各々のドライバーが個々の栄光を追い求める一方、常にチームスポーツである事を第一に考えなければならない。僕は常に与えられた指示に従い、チームのために、そしてチームと共に最大限を達成するためにレースをしてきた」
ガスリーとオコンはカート時代のインシデントが原因で、以降、疎遠となっているが、2023年にアルピーヌでチームメイトになって以来、関係が緊張化するような状況は殆どなかった。
それだけにモナコでの事故は大きな注目を集めた。ガスリーは無線で激怒し、「彼は何をしているんだ!」と叫んだ。
オコンは改めて謝罪し、F1におけるレースのスタートの難しさを説明した。
「先週の日曜日の1周目の事件の責任は僕にある。僕はDNFという結果になったが、今シーズンが僕らの誰にとっても困難なスタートとなる中、チームがポイントを獲得できた事を嬉しく思う」とオコンは続ける。
「僕はピエールをチームメイトとして、そして競争相手として尊敬している。僕らはチーム内で常に協力し合い、プロフェッショナルとして仕事に取り組んできた。それは今後も変わらない」
「F1にはリスクのない報酬はない。レースのスタートは激しく、モナコでは尚更で、最初のラップが最終結果を左右する。結局のところ僕らは誰もが皆、競争相手であり、フィールド全体でのハードでフェアなレースこそが、このスポーツを素晴らしいものにしている。僕がこのスポーツを愛しているのもそれが主な理由だ」
「素晴らしいカナダのファンを前にモントリオールでレースをする事を楽しみにしている」
オコンは2024年以降の契約延長にまだサインしておらず、今回の一件もありアルピーヌに留まる可能性はますます低くなっているようだが、ハースが目をつけているとも噂されている。