ジェンソン・バトンとストフェル・バンドーン
Courtesy Of HONDA

同郷の若手に地位を狙われるジェンソン・バトン、今季限りで終止符か?

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英国はブリストル出身のランド・ノリスは、同郷の大先輩であるジェンソン・バトンの地位を狙っている事を隠さない。昨年のシーズン最終戦アブダビGPを以てF1から退いたバトンだが、今季も引き続きマクラーレン・ホンダに留まり、同チームのリザーブドライバーを務めている。レギュラードライバーに”万が一”の事態が発生した際には、バトンが代わって出走する。

今年のモナコGPでは、フェルナンド・アロンソがインディ500に参戦したため、代役としてバトンがMCL32のステアリングを握った。だが、バトンが来季もマクラーレンに留まる可能性は皆無であり、ノリスはその後任に居座ることを画策している。ノリスはDaily Mailに対して次のように語った。

「今そのことに関して話し合ってるところなんだ。可能性はあるけど、決定権を持っているのはマクラーレンだから僕にはそれ以上の事は言えないよ。ジェンソンはF1でのキャリアは終わりって言ってるし、F1じゃない他のモータースポーツのカテゴリに参戦したいって言ってるんだ」

ランド・ノリス
©LandoNorris ランド・ノリス

先日行われた日本GPでは、チーム代表のエリック・ブーリエが現在テストドライバーを務めるノリスが来シーズンのリザーブに昇格する可能性に言及。バトン本人も、来年はフルタイムでのレース活動に専念したいと公言している。

10月19日に17年間のF1キャリアに関する自伝を発売し、既にレースキャリアを振り返る時期に来ているバトンだが、レースへの情熱は決して衰えてはおらず、今年はスポットという形で日本のSUPER GT鈴鹿1000kmにも出場した。来季はホンダからSUPER GTに参戦するとの見方が大勢を占めており、F1に終止符を打つものと思われる。

バトン、F1キャリアを振り返った自伝を発売

だが、ノリスの真の目的は来季のリザーブではない。狙われているのはバトンだけではなくストフェル・バンドーンも同様だ。

「来年リザーブになれる可能性は十分あると思うけど、フルタイムのシートって事で言えば、再来年や2020年の方が現実的だと思ってる。来季はF2に参戦することで、F1に向けて学習できるしね」

今年8月に残留を発表したバンドーンの契約は2018年末迄となっており、19年以降のシートは未定の状態となっている。ノリスはリザーブのポジションを踏み台にして、バンドーンの契約が切れる再来年以降のフルタイムの座を目論んでいる。マクラーレンの首脳陣は、17歳の若きドライバーの才能を事ある毎にアピールしており、バンドーンの地位は安泰ではない。

ノリスは昨年、若き時代のバトンが手にしたのと同じマクラーレン・オートスポーツBRDCアワードを受賞。マクラーレンの新しいCEOであるザク・ブラウンは、ノリスが将来F1ワールドチャンピオンになる逸材だと声高に主張する。

今季FIAヨーロッパF3に初めてフル参戦したノリスは、ポール・ポジション8回、優勝9回、表彰台20回を達成しタイトルを獲得、2014年にルーキーとして欧州F3王者に輝いた現フォース・インディアのエステバン・オコンが歩いた道を辿ろうとしている。