角田裕毅が我々の大きな財産になる事は疑いない、とアルファタウリ・ホンダ代表…本人は日本のF1ファンの期待を自覚
公然の秘密ではあったものの、角田裕毅が2021年シーズンのFIA-F1世界選手権にアルファタウリ・ホンダから参戦する事が16日(水)に正式発表された。チームメイトはピエール・ガスリーだ。
2014年のアブダビGPに出走した小林可夢偉以来、7年ぶり、ホンダ育成プログラム出身者としては2002年から2008年まで参戦していた佐藤琢磨以来13年ぶりの日本人F1ドライバーであるだけに、日本のモータースポーツファンからの期待は高い。
ましてや来季は、2015年にパワーユニットサプライヤーとしてF1にカムバックしたホンダにとってのF1最終年であり、どれだけ高い注目が集まるかは想像に難くない。レッドブル・ジュニアチームとホンダの若手ドライバープログラムの両方に所属するという異例の扱いである事からも明らかなように、期待を寄せているのはファンだけではないが、角田裕毅はそうした期待を自覚している。
契約発表に際して角田裕毅は「他の多くのレーシングドライバー達と同じように、F1に行くことをずっと夢に見てきましたので、このニュースを本当にとても嬉しく思っています」と語った。
「このチャンスを与えてくれたスクーデリア・アルファタウリ、レッドブル、マルコ博士、そして、これまで長年に渡って僕のキャリアを支え、ヨーロッパで戦う機会を与えてくれホンダに心から感謝しています」
「また、ここに至るまでに共にレースをしてきたチーム・関係者の皆さん、特にこの年のF2を共に戦ったカーリンにも感謝しなければなりません。今年一年、私は彼らのもとで本当に多くの事を学びました」
「来シーズンに向けて、多くの日本のF1ファンの希望を背負っている事を実感しています。彼らのためにも全力で頑張りたいと思います」
レッドブル・レーシングのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは角田裕毅のパフォーマンスとおおらかなキャラクターを非常に高く評価しており、アルファタウリ・ホンダで1年の経験を積ませた後に、マックス・フェルスタッペンのチームメイトとして2022年にレッドブルに移籍させたい意向だと考えられている。
レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表曰く、日本の若き侍の走りに「夢中」のフランツ・トスト(アルファタウリ・ホンダ代表)もまた、角田裕毅に大いに期待を寄せている。
「レッドブルは以前からユウキのキャリアを見守ってきた。今年のF2でのパフォーマンスからも、レースでのアグレッシブな姿勢と技術面に対する理解の深さが見て取れる。私は彼が我々のチームに取って大きな財産となる事を確信している」とトスト代表は語る。
「11月にイモラ・サーキットで2018年型のマシンをドライブした際には、コンスタントにペースを刻みながらもセッションを重ねるごとに進歩を見せ、我々のエンジニアに対して素晴らしいフィードバックを返していた」
「当然、ホンダのエンジニアとパワーユニットに関するコミュニケーションを取る際も全く問題はないし、このことはチームにとっても大きなアドバンテージになる。また今週のアブダビテストでは、彼の学習能力の高さを確認する事ができた。彼はF1昇格に向けて準備万全だ」
本田技研工業株式会社の八郷隆弘代表取締役社長も次の談話を発表し、角田裕毅にエールを贈った。
「まずは角田選手に『F1レギュラードライバー昇格おめでとう!』と伝えたいです。また、F1を目指す若手ドライバー達を長年に渡って応援してきた我々にとっても夢が叶った形であり、とても嬉しく思っています」
「世界最高峰のステージでの戦いはこれまで以上に険しいものになるとは思いますが、世界最速という次の夢を追う角田選手がそこで大活躍をしてくれることを楽しみにしています」