ヤス・マリーナ・サーキットを走行するルノーR.S.20、2020年F1アブダビテストにて
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2020 F1アブダビテスト総合結果:アロンソが最速締め、角田裕毅と佐藤万璃音は充実マイレージで成功裏に終える

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2020年最後のF1公式セッション、ポストシーズン・アブダビテストが12月15日(火)現地午前9時から18時までヤス・マリーナ・サーキットで行われ、ルノーR.S.20をドライブしたフェルナンド・アロンソが1分36秒333の全体ベストを記録。2年ぶりのF1復帰に向けて順調な仕上がりを感じさせた。

コンディションが異なるため一様に比較する事は出来ないが、これは先日のアブダビGP予選でレギュラードライバーのエステバン・オコンとダニエル・リカルドが残したベストタイムより速いラップタイムだった。

フェルナンド・アロンソ、2020年F1アブダビテストにて
フェルナンド・アロンソ、2020年F1アブダビテストにて / © RENAULT SPORT

今年のF1アブダビテストは新型コロナウイルスの影響で1日に限定され、対象も若手ドライバーに制限されていたが、国際自動車連盟(FIA)が元F1ドライバーの参加を許可する通達を出した事で、アロンソを始めとするベテラン勢が加わる事となった。なお、レーシングポイントとマクラーレンは参加を見送った。

2年ぶりにF1に復帰する2度のワールドチャンピオンと若手にとってはマシンの習熟のため、テストドライバー達にとってはマシン開発のため、と各々目的は異なるが、いずれにしてもテストでは走り込みの量が重要となる。

2番手に付けたのは、今年のチャンピオンマシンであるメルセデスW11を駆ったニック・デ・フリースで、アロンソから0.262秒落ちというタイムだった。同じく黒塗りのシルバーアローをドライブしたストフェル・バンドーンは午前終了時にタイムシートトップに立っていたものの、PR業務のためにチェッカーを待たず早々と走行を切り上げ、3番手タイムでヘルメットを脱いだ。

アルファタウリ・ホンダのレーシングスーツを着た佐藤万璃音、2020年F1アブダビテストにて
佐藤万璃音

アルファタウリ・ホンダの角田裕毅、2020年F1アブダビテストにて
角田裕毅

ダニール・クビアトに代わってのアルファタウリ・ホンダ入りが確実視されている角田裕毅は、アルファロメオC40の開発のためにステアリングを握った4番手ロバート・クビサからコンマ1秒落ちの5番手タイムを刻んだ。午前にはクルマのコントロールを失い、バリア接触ギリギリという場面もあったが、1日を通して123周の充実のマイレージを稼いだ。

もう一台のアルファタウリ・ホンダAT01をドライブした佐藤万璃音もレース2回半分に相当する127周もの周回を重ね、角田裕毅から0.938秒落ちというF1マシン初走行としては印象的なタイムを刻み、実りある1日を過ごした。なお佐藤万璃音は角田裕毅とは異なりC5タイヤではなく1段硬めのC4でタイムを残している。

レッドブル・ホンダのセバスチャン・ブエミ、2020年F1アブダビテストにて
セバスチャン・ブエミ

レッドブル・ホンダのレーシングスーツを着たユーリ・ヴィップス、2020年F1アブダビテストにて
ユーリ・ヴィップス

レッドブル・ホンダはベテランと若手のリザーブドライバー2名を起用。FIA世界耐久選手権(WEC)チャンピオンのセバスチャン・ブエミは午前にクラッシュを喫し、ウイングをはじめとするリア周りを破損。走行わずか26周に留まっていたが、その分を取り戻すべく午後は精力的に周回を重ねてトータル77周の12番手タイムでクルマを降りた。エストニア出身の20歳、ユーリ・ヴィップスは101周を走破し6番手タイムを残した。

フェラーリ・ドライバー・アカデミー(FDA)のメンバーで、今季FIA-F2選手権でランキング2位に輝いたカラム・アイロットは、フェラーリSF1000を駆った開発ドライバーのアントニオ・フォッコに次ぐ8番手タイムをマーク。同じくFDA所属のロバート・シュワルツマンを11位に従えた。

アブダビGPの金曜フリープラクティスで週末デビューを果たしたミック・シューマッハは、来季デビューに向けての準備として、この日も再びハースVF-20のステアリングを握った。皇帝ミハエルを父に持つドイツ人ドライバーは全15台中最下位のタイムに終わったが、堅実に125周を走り重ねた。

大部分が最も柔らかいC5コンパウンドでタイムを計測した。C4での計測となったのはユーリ・ヴィップス、ジャック・エイトケン、セバスチャン・ブエミ、佐藤万璃音、ロイ・ニッサニーの5名のみだ。

Pos Driver Team Time Gap PTS
1 フェルナンド・アロンソ ルノー 1:36.333 105
2 ニック・デ・フリース メルセデス 1:36.595 0.262 110
3 ストフェル・バンドーン メルセデス 1:36.840 0.507 82
4 ロバート・クビサ アルファロメオ 1:37.446 1.113 89
5 角田裕毅 アルファタウリ・ホンダ 1:37.557 1.224 123
6 ユーリ・ヴィップス レッドブル・ホンダ 1:37.770 1.437 101
7 アントニオ・フォッコ フェラーリ 1:37.817 1.484 126
8 カラム・アイロット アルファロメオ 1:37.826 1.493 93
9 周冠宇 ルノー 1:37.902 1.569 98
10 ジャック・エイトケン ウィリアムズ 1:38.153 1.820 78
11 ロバート・シュワルツマン フェラーリ 1:38.157 1.824 129
12 セバスチャン・ブエミ レッドブル・ホンダ 1:38.284 1.951 77
13 佐藤万璃音 アルファタウリ・ホンダ 1:38.495 2.162 127
14 ロイ・ニッサニー ウィリアムズ 1:39.800 3.467 75
15 ミック・シューマッハ ハース 1:39.947 3.614 125

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