アルファタウリ、”混在”の前方グリッドと天候に好機見出す
2台揃っての後方スタートながらもアルファタウリは、本来あるべき並びとは異なる前方グリッドと日曜のフロリダの天候に、巻き返しの好機を見出しているようだ。
F1第5戦マイアミGP予選でアルファタウリ勢は、ニック・デ・フリースがQ2に駒を進めたものの15番手と奮わず、角田裕毅は17番手のQ1敗退と、厳しい結果に終わった。
シャルル・ルクレール(フェラーリ)の赤旗クラッシュにより、トップ10グリッドは予想外の並びとなった。隣り合う車両間のペース差がより大きいという事は、その分だけ予期せぬアクシデントがレースで発生する可能性が高いという事を意味する。
車両パフォーマンス部門を率いるギヨーム・デゾトゥーは「スターティンググリッドの前方が少し混在しているため、明日は何らかのアクションが起きるかもしれない」と語る。
「今夜は様々な戦略を分析し、これを利用して入賞圏内に迫っていくための準備に取り組むつもりだ」
2日目までは晴天に恵まれたものの、日曜のマイアミは雷雨に見舞われる可能性がある。再舗装された新しい路面のウェットデータは存在せず、仮に雨が降ればレースの行方は全く分からなくなる。
デゾトゥーは「天候もチャンスを生む要因となる可能性がある。後方からのスタートはリスクを取るという点で幾らか容易だ。戦いを挑んでいきたい」と付け加えた。
グリップ不足に苦戦した初日を経てチームは、AT04のダウンフォースレベルを引き上げたものの、これが予選順位に良い影響を与える事はなかった。
デゾトゥーは「昨日のフリー走行以来、我々はタイヤからグリップを引き出すのに苦労してきた。昨夜の分析を経てエンジニアは興味深い議論を繰り広げ、今日に向けてセットアップを大幅に変更し、クルマにより多くの空力荷重をかけることにした」と振り返る。
「ただ残念ながら、FP3でも厳しい状況は変わらず、両ドライバーともソフトタイヤからパフォーマンスを引き出すことができなかった」
「そこで我々は、非常にタイトな中団争いが予想された予選に向けて更なる分析と微調整を行うことにした」
「Q1はラップ毎に路面が大幅に改善される展開となった。トラフィックを上手くマネージした事で、2台ともがクリーンなラップを刻んだ」
「その結果、ニックはQ2進出を果たした。彼の側のガレージ全員の努力が報われた」
「Q2では中古と新品を1セットずつ使ってタイム計測に臨んだ。トラフィックは問題なかったが、順位を上げるに十分なラップを走る事はできなかった」
「ユーキの方は3つのセクターをまとめ切る事ができず、僅差でカットを逃してしまった。悔しい結果だ」
2023年F1マイアミGP予選はシャルル・ルクレール(フェラーリ)のクラッシュにより赤旗終了を迎える結果となり、セルジオ・ペレス(レッドブル)がポールポジションを獲得した。
決勝レースは日本時間5月8日(日)28時30分にフォーメーションラップが開始され、1周5,412mのマイアミ・インターナショナル・オートドロームを57周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。