メキシコシティ現地11月7日(日)にエルマノス・ロドリゲス・サーキットで開催される2021年シーズンのF1世界選手権第18戦メキシコGPの公式スターティング・グリッドが国際自動車連盟（FIA）より発表された。

グリッドに関しての注目ポイントは年間上限基数を上回るパワーユニットの投入によって降格ペナルティが科された角田裕毅、ランス・ストロール、エステバン・オコン、ランド・ノリスと、ギアボックス交換で5グリッドダウンとなったジョージ・ラッセルだ。

全11台の並びが変動

計5台の降格ペナルティによって9番手以降の並びが全て変動した。中でもフェルナンド・アロンソ、ニコラス・ラティフィ、ミック・シューマッハ、ニキータ・マゼピンの4名は4ポジションアップの12～15番グリッドへと大きく繰り上がった。

週末に先立っては、角田裕毅とストロールが4基目のICE（内燃エンジン）を含めた複数のPUコンポーネントを開封した。また予選に先立ってはノリスとオコンが同じ様に年間上限基数を超えるコンポーネントの封を切った。

4名はいずれも最後尾転落となり、その中で予選最上位の角田裕毅（9番手）が17番グリッド、ノリス（10番手）が18番グリッド、オコン（15番手）が19番グリッド、そしてQ1で赤旗クラッシュを演じてタイムシート最下部に沈んだストロールが20番グリッドにつく。

ストロールに関しては決勝を前にギアボックスを交換。追加で5グリッド降格が科されたが、既に最後尾であるためポジションへの影響はなかった。

ギアボックス降格のラッセル（予選13番手）は先の4名とは扱いが異なるため別計算となり、16番グリッドからレースをスタートする。

セルジオ・ペレス、シャルル・ルクレール、ミック・シューマッハ、ピエール・ガスリーの4名もギアボックスを交換しているが、いずれもペナルティの対象外だった。

なお予選では、ウィリアムズの2台がピットレーンに割り込んだとして審議されたものの、スチュワードはお咎めなしの裁定を下した。

ただしピットレーンとコースとを区切る白線を横切ったキミ・ライコネンには戒告処分が下された。今回のグリッドへの影響はないが、今季中にあと1度戒告を受けると10グリッド降格が科せられる。

ポールポジションはバルテリ・ボッタス。その隣にはルイス・ハミルトンが並び、メルセデスが1列目を占拠する。2列目にはフェルスタッペンとセルジオ・ペレスのレッドブル・ホンダ勢が続く。

ポールポジションからターン1の制動ポイントまでは約811mとカレンダーの中で2番目に長く、1周目の大きな注目ポイントではあるが、空気密度が低くスリップストリームの効果が平地に比べて弱いため、距離の割には抜きづらい傾向にある。勝負は蹴り出しだ。

タイヤ戦略は1ストッパー優勢

エルマノス・ロドリゲス・サーキットはピットストップによるタイムロスが大きく（19.2秒プラス静止時間）、加えてオーバーテイクも楽々とはいかないため、原則的には1ストッパーが予想される。

ピレリのモータースポーツ部門を率いるマリオ・イゾラは1ストップ戦略が最速のストラテジーである事は「間違いない」として、ミディアムタイヤ（C3）からハードタイヤ（C2）に繋ぐアプローチが主流になると考えている。Q3進出組はこの戦略を採ってくるだろう。

意外にもソフト（C4）の保ちが良いため、ソフトからハードへと繋ぐ1ストッパーも可能だが、先のストラテジーに比べると遅い。この戦略を採る事が予想されるのは角田裕毅だ。

角田裕毅はPU交換ペナルティで17番グリッドに後退するもののQ3に進出しているため、Q2で自己ベストを刻んだ際の中古のソフトを履いてスタートしなければならない。

ソフトはミディアムに比べて必然的にスティントが短くなってしまうため、アクシデントや他車の動向に対しての柔軟性に欠ける。

日曜のメキシコシティは暖かいコンディションが予想されている。路面に載るラバーの量が増えているため、初日金曜に見られたようなリアのスライドは低減されるはずだ。

2021年 F1メキシコグランプリ決勝レースは、日本時間11月7日(日)28時にスタートの時を迎える。全20台が1周4,304mのエルマノス・ロドリゲス・サーキットを71周する事でチャンピオンシップを争う。

2021年F1メキシコGP 決勝グリッド

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