サインツ、旧友ノリスの「iRacingテクニック」を採用…F1メキシコGPでの”完璧”なポールラップで
10月26日のF1メキシコGP公式予選でのポールラップについてカルロス・サインツ(フェラーリ)は、マクラーレン時代の僚友ランド・ノリスから学んだ「iRacing」のテクニックを採用したと明かした。
フライング・ラップの終盤、サインツは通常とは異なるラインを取ってメインストレートに向けて立ち上がった。ピットウォールに沿うようなこのラインは、他のドライバーのそれと比較すると、かなり珍しいものだった。
これについてサインツは、オンラインレーシング・シミュレーターの分野で高い評価を受ける「iRacing」を通してノリスが身につけたものだと説明した。
「ランドが普段から好んで取っているラインなんだ。iRacingか何かで覚えたテクニックだと思うけど、彼は(メインストレート上のフィニッシュ)ラインまでの距離を短く取るのを好むんだよ」
「僕としては失うものは何もなかったし、0.001秒か0.002秒でも速くなればと思って試してみたんだ」
「マクラーレン時代に、彼が何度もこの走り方をしていてね。少し驚いたのを覚えている」
とは言え、自身をして「完璧」と評したポールラップを可能としたのは、ノリスから盗んだテクニックではなく、フライング・ラップに向けたタイヤの準備だとサインツは考えている。
「オースティン以来、特に僕の方は予選で一歩前進したように思う。アウトラップとタイヤの準備という点で色々と取り組んできたんだ」とサインツは語った。
「ここ数レースの間、フェラーリではタイヤの準備が重要なテーマになっている。レースでは一貫してかなりの速さがあるものの、予選では何かが欠けていると感じていてね」
「今年のクルマはタイヤ的に優れているけど、その反面、ソフトタイヤの最初のアタックラップで最大限の性能を引き出しにくいことがあるんだ」
「それで、3週間の休みの間にこの点に少し焦点を当てて、オースティンとメキシコに向けていくつかの対策を講じたんだけど、それが上手くいったように思う」
サインツのQ3でのアタックラップはいずれも、ポールポジションに十分なものだった。
サインツは、標高の関係からダウンフォースが大幅に失われるメキシコシティのサーキットで「2周とも、これほど力強いラップを刻めるなんて普通じゃない」と語り、満足感を表した。
「メキシコでは毎回、スライドが酷くて思うようにラップをまとめるのが本当に難しいと感じるわけだけど、今日は正直、Q3の2回のラップはほとんど同じで、ほぼ完璧だった」
「Q3で2回に渡って堅実なラップを刻めたからこそ、ポールポジションを獲得できたんだ。路面が滑りやすくて難しいメキシコでは普段、これだけ安定したラップを出せないから本当に嬉しい」
2024年F1メキシコGP予選ではカルロス・サインツ(フェラーリ)がポールポジションを獲得。2番手にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3番手にランド・ノリス(マクラーレン)が続く結果となった。
決勝は日本時間10月27日(日)29時にフォーメーションラップが開始され、1周4,304mのエルマノス・ロドリゲス・サーキットを71周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。