王者メルセデス、跳馬ではなくレッドブルをライバル視「開幕までにコンマ4秒進化する可能性がある」
ダブルタイトル5連覇を目指すメルセデスAMGは、昨年チャンピオンシップで一騎打ちを演じたフェラーリではなく、3位に甘んじたレッドブルを2018年のライバルとして警戒している。
シーズン開幕に先立って行われた合同テストではフェラーリが総合最速タイムを記録、内外にその速さを印象づけた。その一方でメルセデスとレッドブルはロングランに集中して取り組み、予選を想定したタイムアタックを差し控えるスタンスを見せた。メルセデスに至っては一度たりともハイパーソフトを履くことはなく、手の内を明かさないままにバルセロナを後にした。
イタリアのトリノで催されたタイトルスポンサー、ペトロナスのイベントに出席したルイス・ハミルトンは、現時点でレッドブルが最速のマシンを有しているとの見解を示した。
「今のところ、レッドブルが最速なんじゃないかと思う。(開幕に向けて)彼らは幾つかのアップグレードを計画してるみたいだしね。僕が聞いた話だと、投入されるのはある程度大きな効果が見込めるものらしい。コンマ2秒からコンマ4秒程度のね」
レッドブルは期待通りの成績を残せなかった昨年のRB13の反省を活かし、F1界随一の天才デザイナー、エイドリアン・ニューウェイをRB14の全面監修にあたらせた。ニューウェイがこれまでに手掛けたマシンは、計7回のコンストラクターズタイトルとドライバーズタイトルを獲得している。
バルセロナに降り立ったRB14は予選ランこそ控えめだったものの、ロングランでは驚異的なタイムを刻み、フェラーリを凌駕するレースペースを示していた。ダニエル・リカルドは開幕オーストラリアGPにアップデートが投入される事を認めており、これによって更なる性能向上が実現すれば、ハミルトンの懸念が現実のものになる可能性は十分にある。
だが、蚊帳の外に置かれたフェラーリのセバスチャン・ベッテルは、レッドブルが残したレースペースに疑問を呈し「不十分なレースシミュレーション」と指摘する。
「彼らはレースシミュレーションで1種類のタイヤしか使ってないよね。でも、実際のレースでは最低2種類使わなきゃならない。この違いは、レース戦略とリザルトに大きく影響するよ」