メルセデスF1、125周年を記念したホワイトアローのW10を公開
メルセデスの「ホワイトアロー」とも言うべき、白色で塗装された特別仕様のW10が公開された。シルバーアローは今週末の母国ドイツGPで、モータースポーツ発祥125周年を記念したスペシャルカラーのF1マシンを走らせる。
マシン後方は従来の”シルバーアロー”の印象のままだが、コックピット前方のフロントノーズ及びウイング、ヘイローの一部がマットホワイトにペイントされ、ノーズ先端には、1926年にベンツとダイムラーが合併した際にデザインされた昔のロゴがプリントされており、ビンテージ感が漂っている。
翌週にはハンガロリンクでのハンガリーGPが控えているため、手間なく元のカラーへと戻せるように、おそらくはラッピングシールを使用しているものとみられる。
メルセデスのレーシングカーは伝統的に、ドイツのナショナルカラーである白い塗装が施されていたが、そのカラーリングは1934年6月3日を境に一変。この日ニュルブルクリンクで開催されたレースにおいて、総重量750kg以下という新しいレギュレーションに対応させるために、塗装を剥ぎ金属製ボディーが露出した”シルバーアロー”が誕生した。
今回の特別な”ホワイトアロー”は、この当時のエピソードにヒントを得て、白いラッピングの下に銀色のボディーが透けて見えるような意匠となっている。”塗装が剥ぎ取られたようなデザイン”と言った方が良いかもしれない。
125年前の1894年7月22日、21人のドライバーたちがパリ・ブローニュの森のすぐ隣にあるマイヨ通りにクルマを並べた。当初このイベントは自動車の信頼性比較テストとして開催されたものの、午前8時にスタートするや否や競争となり、これが後に、世界初の自動車レースとして記録される事となった。
スタート地点のパリからゴールのルーアンまでの総距離は127キロメートル。17時40分に最初の一台がフィニッシュラインを駆け抜け、最終的に17台の車両が完走を果たした。この内の9台は、ゴットリープ・ダイムラーが発明した3.5馬力(2.6kW)の2気筒V型エンジンを搭載していた。