マクラーレン、3戦に跨るほどの「大規模オーバーホール」を計画…MCL60ほぼ刷新へ
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マクラーレンはサマーブレイクを前に、車体の殆ど全ての空力パーツに影響を及ぼす「大規模オーバーホール」をMCL60に施す計画だ。この意欲的なアップグレードは次戦オーストリアを皮切りに3戦連続で展開されるほど、大掛かりなものとなる。
昨年のコンストラクターズ選手権5位につけた英国ウォーキングのチームは2023年の開幕8戦を終えて6位と低迷しており、トップ5に大きく水を開けられている。
現時点での総獲得ポイント17点の内、12点は第3戦オーストラリアで稼いだもので、新型フロアを含む今季初のアップグレード・パッケージの導入にも関わらず、第4戦アゼルバイジャンGP以降は5戦で僅か5点と復調の兆しもない。
前戦カナダGPにも新パーツが持ち込まれているが、あくまでもジル・ビルヌーブ・サーキットのドラッグレベルに合わせたリアウィングであり、クルマの性能を底上げする類のものではなく、オスカー・ピアストリは11位、ランド・ノリスは13位に終わった。
シーズン初期に「クルマの根本的な再設計が必要」との認識に至った事で、マクラーレンは「空力パーツの殆ど全て」に影響を及ぼすアップグレードを準備してきた。チーム代表を務めるアンドレア・ステラ曰く、それは3つの週末にまたがって展開されるほど広範囲に及ぶという。
今後の改良計画についてステラは「アップグレードの殆どは次の数イベントで行われる。オーストリア、イギリス、ハンガリーを通してクルマの大規模なオーバーホールを行う予定だ」と説明した。
「注目に値するものとなるだろう。アンダーボディの一部パーツでさえ再設計が必要だった。そのため、これらのアップグレードを用意するのに時間がかかってしまった」
「クルマのほぼ全体に及ぶものだと言えるだろう」
「まだシミュレーターでテストしてはいないが、車体の特徴はそのままに、より多くのダウンフォースをもたらす事になるだろう」
「実際のコースとの相関が鍵となるが、これまでのところ(シミュレーターとトラックサイドとの)相関関係は良好だと思う」
「この世代のクルマ全般に言える事だが、開発ツールとの相関は悪くない。したがって、ラップタイムに換算してコンマ数秒の改善に繋がると期待している」