マクラーレンの2021年型F1マシン「MCL35M」のコックピット周り拡大画像

マクラーレン 2021年F1マシン「MCL35M」主要諸元:シャシー及びパワーユニットの仕様

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メルセデス製の最新型F1パワーユニット「メルセデスAMG M12 E パフォーマンス」を搭載するマクラーレンの2021年型F1マシン「MCL35M」の技術諸元を以下にまとめる。

最大の変更点は内燃エンジンとエネルギー回生システムを含むパワーユニット一式がルノー製からメルセデス製へと切り替えられた点だが、ブレーキシステムと冷却システムからはそれぞれ、曙ブレーキ工業とマレリの名前が消えている。

技術諸元・スペック

エンジンとERSを含めたパワーユニットは、2021年仕様の最新版メルセデスAMGを搭載する。

内燃エンジン

型式 メルセデスAMG M12 E パフォーマンス
排気量 1600cc
シリンダー V型6気筒 / 90度
バルブ数 24
ボア径 80mm
ストローク 53mm
クランク高 90mm
過給 シングルターボ、過給圧無制限(5bar abs)
最高回転数 15,000rpm(ICE、レギュレーション規定)
最大燃料流量 100 kg/h
燃料タンク容量 110 kg、「ライト・トゥ・フラッグ」規定
燃料噴射 直噴、最大500バール/シリンダー
過給器 単段コンプレッサー、排気タービン、共通シャフト
重量 150kg(既定最低重量、ERS含む)
馬力 未公表

ERS エネルギー回生システム

モーター発電機ユニットによる統合型ハイブリッドエネルギー回生。MGU-Kはクランクシャフト、MGU-Hはターボチャージャーに各々接続される。

バッテリー(ES) リチウムイオンバッテリー(20-25kg)
バッテリー(ES)最大貯蔵量 4 MJ/周
MGU-K 最大出力 120 kW
MGU-K 最大回転数 50,000 rpm
MGU-K 最大回生量 2 MJ/周
MGU-K 最大放出量 4 MJ/周
MGU-H 最大回転数 125,000 rpm以上
MGU-H 最大出力 無制限
MGU-H 最大回生量 無制限
MGU-H 最大放出量 無制限

シャシー

従来の製造方法に加えて、ストラタシス社3Dプリント、ヤマザキマザック社金属積層造形等の先端工法を利用する。

型式 MCL35M
モノコック ドライバーコントロール及び燃料電池を搭載したC/Cコンポジット材
安全構造 耐衝撃構造と貫通防止パネルを組み込んだコクピット・サバイバルセル、フロント・インパクト構造、サイドインパクト構造(規定)、前後ロール構造、Halo二次ロール構造、ヘッドレスト
ボディーワーク C/Cコンポジット材のエンジンカバー、サイドポッド、ディフレクター、フロア、ノーズ、フロントウイング、リアウイング並びにドライバー操作によるドラッグ低減システム(DRS)
フロントサスペンション インボード・トーションバーとダンパーシステムを備えたカーボンファイバー製プッシュロッド式ウィッシュボーン
リアサスペンション インボード・トーションバーとダンパーシステムを備えた鉄製プルロッド式カーボンファイバー製ウィッシュボーン
トランスミッション マクラーレン製リバース付8速カーボン製ギアボックス、縦置きドライブトレイン
電気油圧制御式シームレスシフト
リミテッド・スリップ・デフ(LSD)
電気油圧制御式カーボンファイバー製マルチプレート・クラッチ
タイヤ ピレリ P Zero
ホイール エンケイ
ブレーキ 前後マスターシリンダー付き6ピストンブレーキキャリパー、カーボンファイバー製ベンチレーション・ディスクブレーキ&パッド、ブレーキ・バイ・ワイヤ(BBW)
電気系 マクラーレン・アプライド・テクノロジーズ(MAT)製
シャシー及びパワーユニット制御、データ収集機器、センサー類、データ解析及びテレメトリー・システム
冷却系 チャージエア、エンジンオイル、ギアボックスオイル、油圧オイル、ERS冷却システム
ステアリング パワーアシスト付ラック&ピニオン
塗装 アクゾノーベル/シッケンズ
計器類 MAT製ステアリング・ディスプレイ
全幅 非公表
全高 非公表
全高 非公表
フロントトレッド 非公表
リアトレッド 非公表
重量 752 kg(ドライバー含、燃料除)
前後重量配分 45.4%から46.4%の間