ハースF1チームのニキータ・マゼピン、2021年9月25日F1ロシアGPにて
Courtesy Of Haas

マゼピン、F1イギリスGP参戦不可…ロシア・ベラルーシ発行ライセンス停止

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仮にハースF1チームのシートを維持しても、ニキータ・マゼピンは2022年F1イギリスGPに参加できない見通しだ。モータースポーツUKはロシアとベラルーシの各自動車連盟が発行するライセンスに関して英国内での認証を停止する。

ロシア軍によるウクライナ侵攻に対して国際社会は一致団結。SWIFT(国際銀行間通信協会)からの排除を含む強力な経済制裁を打ち出した。同様の動きはサッカーを含む他のスポーツ同様、モータスポーツ界にも波及している。

国際オリンピック委員会(IOC)は国際自動車連盟(FIA)や国際モーターサイクリズム連盟(FIM)を含めた全ての国際競技連盟に対し、ロシアを支援するベラルーシを含めた2カ国の出身選手及び役員を国際大会から除外するよう勧告。ウクライナ自動車連盟(FAU)も同様の訴えをFIAに提出した。

これに対してFIAは、条件付きでロシアまたはベラルーシ出身のドライバーの競技参加を許可したが、英国は独自の判断を示した。

モータースポーツUKは3月2日(水)、英国政府や各国スポーツ統括団体との協議を経て、IOCの勧告に従い、またFIAの決定を尊重しつつも、ロシア自動車連盟(RAF)及びベラルーシ自動車連盟(BAF)が発行するライセンスの英国における認証を停止すると発表した。

この結果、両国を代表するレースチーム、両国のライセンスを持つ競技者および関係者は、英国内で行われるモータースポーツイベントから排除される事となった。

モータースポーツUKのデビッド・リチャーズ会長は声明の中で「我々モータースポーツUKは、ウクライナにおけるロシアとベラルーシによる戦争行為を非難し、現在進行中の紛争の影響を受けている全ての人々への連帯と支援を表明する」と語った。

「今回の侵攻並びに容認できない行為に対し、我々はウクライナの人々、そしてモータースポーツ界と団結する。今こそ国際的なモータースポーツコミュニティが行動し、ウクライナの人々やFAUへの支援を示すべき時だ」

「モータースポーツUKはレオニード・コスティチェンコFAU会長、ウクライナのモータースポーツ界、ウクライナ国民と団結し、平和的解決によってこの暴力を終わらせるよう呼びかける」

ハースはマゼピンをバックアップするロシア企業「ウラルカリ」社とのタイトルスポンサー契約を見直す方針を示しており、今週中に何らかの決定を下すとしている。ウラルカリとの契約が途中解除となれば、ハースはマゼピンを起用する理由を失う。

F1第10戦イギリスGPの開幕までにモータースポーツUKが方針を変更しない限り、または第3国のライセンスを取得しない限り、例えハースのF1シートを維持したとしても、マゼピンは7月1~3日のシルバーストン・サーキットでのレースに参加する事ができない。

ただ、それ以上に着目すべきは、英国以外の各国のモータースポーツ統括団体が同様の決断を下す可能性があるという点だ。実際デビッド・リチャーズ会長は次のように呼びかけている。

「ウクライナへの侵攻は完全に不当なものであり、これを止めさせるためにあらゆる影響力を行使することは我々の義務である」

「我々はモータースポーツ界及び世界中の同僚に対し、国際オリンピック委員会の勧告を全面的に受け入れ、この戦争を終わらせるためにできる事を全て行うよう奨励する」

FIAが条件付きでの参戦を認めてもマゼピンの立場は決して安泰ではない。英国のみならずライセンス認証及びビザ発給停止を含め、マゼピンが複数のグランプリに参戦できなくなる可能性は十分にある。

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