マルク・マルケス「分からない」連呼、確信持てぬ決断と複雑な胸の内…HRCとの早期契約解除を経て
8度のロードレース世界選手権(MotoGP)チャンピオン、マルク・マルケスがHRC(株式会社ホンダ・レーシング)との早期契約解除を経て複雑な胸の内を明かした。
HRCは2023年10月4日、30歳のスペイン人ライダーと締結している4年契約を1年前倒しで早期終了すると発表した。この結果、両者の11年に及ぶパートナーシップは2023年末を以て終わりを迎える事となった。
当初から噂されていた、弟アレックスが所属するグレシーニ・ドゥカティへの移籍についてはまだ何も発表されておらず来季の契約は不明だが、マルケスはSNSを通して「僕がチームメンバーに送ったこのメッセージをみんなに共有したい」と綴り、苦渋の決断の背景と将来に向けた考えの一部を説明した。
「何から始めたら良いのか分からない。自分が正しいことをしているのか間違っているのか、この先がどうなるのか、全てが上手くいくようになるのかも分からない。でもみんなと一緒に何を成し遂げてきたのかは分かっている」
「僕の人生で最も難しい決断だった。心ではなく自分の頭と勇気に導かれて出した決断だ。僕の心はこれからも常にみんなと一緒だ。いつだってみんなは僕を支えてくれた。そしてこれからも僕を応援しれくれる事だろう」
「一つハッキリしていることがある。もう一度世界一のライダーになりたいんだ。そのためには楽しむ必要がある」
「みんなから読めって言われた本の中で登山家がこんな事を言っていた。3日でエベレストに登れるのになぜ5日をかけて登るのか?ってね。 論理的に考えれば3日で挑戦する方が遥かに危険だ。もっと自分自身をさらけ出すことになるし、登りきれない可能性も出てくる。でもやってみなきゃ分からない。僕はその道を選ぶ」
「どうなるかは分からない。でもみんなは僕に対していつだって、直感に従え、個性を度胸があれば誰にも負けない、って言ってきたし、僕もそうしてきた」
「最後に、心から語りたい。みんなが良く知っているように、僕らの関係は本当に特別なものだ。だからいつの日かまた、僕らの道が交差することを願ってる。残りの6戦を楽しんでいこう」
マルケスはHRCと共にMotoGPクラスで通算59勝、表彰台101回、ポールポジション64回、そして6回のライダー・チャンピオン戴冠を果たしており、そのうちの5回ではライダー、コンストラクター、チームの三冠を達成している。