
マルコ、角田裕毅に要求「そろそろポイントで示せ」課せられた重責と強い期待
レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコが2025年F1第17戦アゼルバイジャンGPを前に、角田裕毅に厳しくも期待を込めた言葉を投げかけた。コンストラクターズ選手権でフェラーリ、メルセデスを逆転するため、そして来季残留に向けて、さらなる飛躍を要求した。
終焉に近づくフェルスタッペン王朝
マックス・フェルスタッペンは5連覇への期待を背負って今季に臨んだが、残り8戦を前に首位オスカー・ピアストリに94点差、2位ランド・ノリスにも63点差を許し、苦境に立たされている。
前戦イタリアGPでは久々の圧勝を飾り、ファンの期待を一時的に盛り上げたものの、マルコは独メディア『sport.de』に「現実的に見ればチャンスはない」と語り、タイトル防衛は極めて困難との見方を示した。
ピアストリ vs ノリスの結末や如何に
一方でマクラーレン勢によるタイトル争いについて、マルコは興味深い分析を披露した。
「両者にはそれぞれの強みがある。1周の速さではランド・ノリスが上かもしれない。だがオスカー・ピアストリの方が冷静で、精神的にも強いように見える。これらの要素に加えて、彼が持つリードを考えれば、ピアストリが有力だと思う」
また、マクラーレンが両ドライバーに自由な競争を許可している「パパイヤ・ルール」について、「非常にスポーツマンシップにあふれている」と称賛。チーム戦略とスポーツマンシップのバランスを取る難しさを知る経験者ならではの視点で、その姿勢を高く評価した。
チーム選手権の命運は角田に
フェルスタッペンの個人タイトル獲得が困難な状況にある中、レッドブルにとって重要性を増しているのがコンストラクターズ選手権だ。首位マクラーレンとは378点差ながらも、フェラーリとは41点差、メルセデスとは21点差の4位につけている。
「マクラーレンは独走だが、フェラーリとメルセデスは射程圏内だ。二人のドライバーがポイントを取れば逆転できる」とマルコは語り、角田に安定した入賞を強く求めた。
だが現実は厳しい。レッドブル昇格後の13戦で角田がトップ10入りしたのはわずか4回、獲得ポイントは12点にとどまる。一方でチームメイトのフェルスタッペンは230点を積み重ねており、両者のギャップはチームの命運を左右するレベルに達している。
フェラーリ、メルセデスとの争いにおいて、レッドブルが二枚看板として機能できるかどうかは角田次第だ。コンストラクターズ選手権2位の確保に向けた彼の責務は、これまで以上に重く、そしてシビアになっている。
「そろそろポイントで示せ」率直な要求
「ユーキも進歩はしている。だが、そろそろポイント獲得という形でそれを示してほしい」
角田に対するマルコの言葉には、期待と苛立ちが入り混じる。改善と成長を認めながらも、それが結果に結びついていない現状への焦燥感が透けて見える。F1は速さだけでは評価されず、最終的にはポイントという具体的な成果で価値を証明することを求められる。
特にレッドブルのようなトップチームにおいて、ドライバーに課される基準は極めて高い。フェルスタッペンとのパフォーマンス格差は、個人の課題にとどまらず、チーム戦略全体に影響を及ぼす深刻な要素となる。
角田にとって残された8戦は、単なる消化試合ではなく、2026年以降のF1キャリアを懸けて自らの存在価値を証明する“ラストオーディション”だ。コンストラクターズ選手権で巻き返しに貢献できるか否かは、来季契約に直結する決定的な材料となり得る。
マルコの発言は、角田への落胆ではなく、むしろ強い期待の裏返しであり、同時に「結果で応えよ」という厳しいメッセージでもある。