インタビューに応じるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2022年7月21日F1フランスGP
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ルマン24時間Virtual:フェルスタッペン激怒「2度と参戦しない」首位争うも回線切断でDNF…主催者への酷評止まらず

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2023年ル・マン24時間バーチャルでのリタイヤを経てマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、トラブル続きとなったイベントの主催者を「無能」と罵り、「2度と参戦しない」と怒りを爆発させた。

現役F1ワールドチャンピオンは選手権をリードする1号車チーム・レッドライン(Team Redline)を駆りル・マン24時間バーチャルに参戦。スタートで首位に躍り出ると終始トップを争い、残り7時間という終盤に向けてラップをリードしていた。

ところが回線の切断によりレースから弾き出されてしまい、復帰したものの1周遅れの17番手にまで後退するトラブルに見舞われた。

この際、同時に接続を失ったマシンが100号車アルナージ・コンペティションLMPのみであったためラップバックは許可されず、これを受けてチーム・レッドラインは残り5時間半というところで1号車をリタイヤさせる決断を下した。

4台以上が同時に接続を失った場合はレースコントロールの裁量で最大3ラップが与えられるとレギュレーションで規定されているが、フェルスタッペンの悲劇はこれに該当しなかった。

レースを終えたフェルスタッペンは腕を組みながら「彼らはすごい不運だと言うけど、これは単に無能だから起きたんだ。彼らは自分たちのゲームをコントロールすることさえできていない。このレース中にゲームから追い出されたのは3回目だ」と静かな口調ながらも怒りを爆発させた。

「これで終わりだ。だって(参加する)意味がない。タイトル争いのために5ヶ月間を通して準備を重ねてチャンピオンシップをリードし、このレースで勝つために2ヶ月間準備したっていうのに、彼らの対処はこれなんだから」

「冗談じゃない。イベントと呼ぶのもおこがましい。これは道化ショーだ」

「リタイアした方がマシだ。(この後)6時間も15番手で走り回るなんて誰にとっても何の意味もありゃしない。これはチームとして努力してきた僕らを侮辱する行為だ」

「このプラットフォームじゃ上手くいかないだろうから、主催者にはこのゲームをどこに置くか考えてもらいたいと切に思う」

「僕はこのゲームをアンインストールしようと思う。PCの容量も少し空く事だし。みんなもアンインストールしてくれることを心から願うよ」

度重なるトラブルについてフェルスタッペンはその後もチャットツール「Discord」を通して「シムレース界隈、全てのビッグブランドとドライバーの顔に泥を塗るものだった」として「僕はもう二度と参戦しない。すべてはあなた方(主催者)の無能さのせいだ」と綴った。

リタイヤの原因となった切断がゲームサーバー側にあるのかどうかについては不明だが、レースは序盤からたびたび接続不良に見舞われ、2度の赤旗が出される展開となり、フェルスタッペンのトラブル1時間前にも7台が切断されるアクシデントがあった。

ル・マン24時間バーチャルのプラットフォームであるrFactor 2の開発チームは原因究明に着手しており、レース序盤のトラブルに関しては「サーバーに接続するIPアドレスを参加チームが意図せず共有した結果、セキュリティ侵害によるグローバルな切断が発生した」と説明している。

レースはフェリペ・ドルゴヴィッチ、フェリックス・ローゼンクビスト、ルーク・ベネット、クリス・ルーラムがドライブする僚友2号車チーム・レッドラインが総合優勝を果たす結果となった。