
ハミルトン接触への「重すぎる裁定」にアルボン不服、“激レア速度違反”と無線不通も重なり波乱の週末に
アレックス・アルボン(ウィリアムズ)は、2025年F1第22戦ラスベガスGP決勝で発生したルイス・ハミルトン(フェラーリ)との接触について、自身に科されたペナルティの内容に「驚いている」と不満を露わにした。
問題のシーンはターン14で発生した。アルボンは前方を走行するハミルトンのミスを見逃さず、イン側からオーバーテイクを仕掛けるも接触。フロントウイングの一部を失った。一方で、当てられた側のハミルトンのマシンには目立ったダメージはないようだった。
スチュワードはこの接触について、アルボンに5秒のタイムペナルティと、ペナルティポイント1点(累積5点)を科す裁定を下した。
Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.
フリー走行でFW47をドライブするアレックス・アルボン(ウィリアムズ)、2025年11月20日(木) F1ラスベガスGP FP2(ラスベガス市街地コース)
些細な判断ミスか、過剰な処分か
アルボンはレース後、相手に実害がなかったにもかかわらずペナルティが科されたことに疑問を呈した。
「ルイスがミスをしたから、オーバーテイクを仕掛けたんだ」とアルボンは説明する。
「正直に言えば、ちょっと判断を誤ったかもしれないけど、本当に軽微なものだったと思う。あれでペナルティを受けたことには驚いている。特に彼(ハミルトン)には何の問題も起きなかったわけだからね。どうしてあんなに重い処分になったのか、よく分からない」
一方のスチュワードは、「ハミルトンとの距離を見誤った」アルボンに責任があるとの判断を下しつつも、ハミルトンのレースに大きな影響を与えなかった点を考慮し、ペナルティを軽減したとしている。
「この接触が比較的軽微であったこと、そして44号車(ハミルトン)に影響がなかったことを酌量要素とした」
レース開始前には異例の速度違反
アルボンの受難はこれだけではなかった。フォーメーションラップのスタート時、規定速度を超過したとして「戒告処分」を受けたのだ。これは非常にレアな違反だった。
F1競技規則第44条7号は「(フォーメーションラップに際して)グリッドを離れる際、すべてのドライバーはポールポジションの位置を通過するまで、ピットレーンの速度制限を遵守しなければならない」と定めている。
これには些か不運な背景があった。無線の故障に見舞われたため、チームから「ピットレーンリミッターをセットしろ」というリマインダーを受け取ることができなかったのだ。結果としてアルボンは、ポールポジション地点を通過する前に時速92kmまで加速してしまった。
スチュワードは、無線故障という事情と、競技上の利益をまったく得ていない点を考慮し、ペナルティではなく戒告処分にとどめた。
これでアルボンの今季の戒告は3回目。シーズン中に戒告が5回累積すると、自動的に10グリッド降格ペナルティが科されることになる。
無線なし、”平穏”で困難なレース
無線の故障はアルボンのレースを一層、困難なものにした。
「(ハミルトンとの接触の後)フロントウイングを交換しようとピットに入ったんだけど、無線がないからどれくらい壊れてるのかを伝えられなくてさ。だから次の周でもう一回入って、ようやく交換できたんだ」とアルボンは明かす。
オンボード映像には、アルボンがピットストップの際、マシン前方を何度も、そして必死に指さし続ける姿が映っていた。
ペース自体は悪くなかったが、「結局は最後尾争いをしてるわけで、走り続ける意味もあまりなかったし、無線がないとブルーフラッグとかで他車の邪魔にもなりかねないし、それは僕も望んじゃいなから…」という理由で35周目にリタイヤした。
なお、無線が使えなかったことについてアルボンは「かなり平穏だったよ!」と冗談交じりに語った。
2025年F1第22戦ラスベガスGPの決勝では、2番グリッドからスタートしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が今季6勝目を挙げた。マクラーレン勢の失格により、2位はジョージ・ラッセル、3位はアンドレア・キミ・アントネッリと、メルセデス勢が残りの表彰台を占めた。
ロサイル・インターナショナル・サーキットを舞台とする次戦カタールGPは、11月28日のフリー走行1で幕を開ける。