マックス、ノリス“自滅”で圧勝―角田14位でキミと好対照…王者候補はW失格 / F1ラスベガスGP 2025《決勝》結果と詳報

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2025年FIA-F1世界選手権第22戦ラスベガスGPの決勝が現地11月22日(土)にラスベガス市街地コースで行われ、2番グリッドからスタートしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が逆転で優勝を飾った。チームメイトの角田裕毅は14位(マクラーレン勢の失格で最終12位)に終わった。

ノリスの「ミス」で勝敗決した50周のレース

スタート直後のターン1に向けてマックス・フェルスタッペン(レッドブル)をブロックするランド・ノリス(マクラーレン)、2025年11月22日F1ラスベガスGP決勝(ラスベガス市街地コース)Courtesy Of McLaren

スタート直後のターン1に向けてマックス・フェルスタッペン(レッドブル)をブロックするランド・ノリス(マクラーレン)、2025年11月22日F1ラスベガスGP決勝(ラスベガス市街地コース)

勝負はスタート直後の数秒で決した。ポールポジションのランド・ノリス(マクラーレン)は、蹴り出しでフェルスタッペンを強烈に牽制。車体を大きく振ってブロックを試みたが、これが裏目に出た。

ラインを乱したノリスはターン1へのブレーキングで遅れ、3番手まで後退。「僕のミスだった」と振り返る。早々にトップに立ったフェルスタッペンは独走態勢を築き、最終的に20.741秒の大差をつけてチェッカーを受けた。

ノリスとタイトルを争うオスカー・ピアストリ(マクラーレン)は、スタート直後にリアム・ローソン(レーシング・ブルズ)と接触。車体への深刻な影響はなかったようだが4位にとどまった。

オスカー・ピアストリ(マクラーレン)に接触するリアム・ローソン(レーシング・ブルズ)、2025年11月22日F1ラスベガスGP決勝スタート直後のターン1(ラスベガス市街地コース)Courtesy Of McLaren

オスカー・ピアストリ(マクラーレン)に接触するリアム・ローソン(レーシング・ブルズ)、2025年11月22日F1ラスベガスGP決勝スタート直後のターン1(ラスベガス市街地コース)

ノリスとピアストリ、プランク摩耗で失格

レース後には、タイトル争いの行方を揺るがす衝撃的な結末が待っていた。2位でフィニッシュしたノリスと、4位ピアストリ──タイトルを争う当事者2名が、レース後の技術車検で規定違反と判定され、失格処分(DSQ)が下された。

この裁定により両者はリザルトから除外され、ノリスが築いたはずの大幅リードは一気に消滅。状況は劇的に変転し、フェルスタッペンによる“歴史的な大逆転タイトル”の可能性が、現実味を伴って再浮上することとなった。

問題となったのは、両車のスキッド(プランク)厚だった。2025年F1技術規則 第3条5項9号e の定める最小値9mmを下回っていたのだ。測定には、神奈川県に本社を構える株式会社ミツトヨのマイクロメーターが使用された。

ノリスは最終盤に約14秒ものタイムを失う極端な「リフト・アンド・コースト(惰性走行)」を行っていたが、これはプランク摩耗への懸念から指示されたものだった。

本来であれば、ノリスはラスベガスでの2位により、ピアストリに対して30ポイント、フェルスタッペンに対して42ポイントのリードを確保したまま残り2戦に臨むはずだった。だが失格により、両者との差はわずか24ポイントに縮まった。

また、2台の失格に伴いハース勢が繰り上がり、エステバン・オコンとオリバー・ベアマンがそれぞれ9位、10位に昇格。ハースはダブルポイントを獲得した。

角田不発、際立つアントネッリとの対比

タイヤ内圧の誤設定が響いて予選19番手に終わった角田は、決勝を前に大きな賭けに出た。パルクフェルメ規定を破り、6基目のICE(内燃エンジン)を含むパワーユニット一式に交換し、サスペンションおよびリアウイングの大幅なセットアップ変更を敢行。ピットレーンからのスタートを選択した。

だが、その賭けは実らなかった。

1周目の多重クラッシュを経て即座にハードタイヤへ交換するも、その直後の2周目にバーチャル・セーフティーカー(VSC)が導入される不運な展開に。16番手から追い上げを図ったが、ペースは振るわなかった。

中盤にはフレッシュタイヤを履くフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)やオリバー・ベアマン(ハース)にあっさりとパスされ、27周目にスタート時のミディアムに戻すことで2ストップへ移行するも状況は好転せず。残り5周でピエール・ガスリー(アルピーヌ)をかわして14位でフィニッシュ(最終12位)するのが精一杯だった。

決勝中にピットストップを行う角田裕毅のレッドブルRB21、2025年11月22日(土) F1ラスベガスGP(ラスベガス市街地コース)Courtesy Of Red Bull Content Pool

決勝中にピットストップを行う角田裕毅のレッドブルRB21、2025年11月22日(土) F1ラスベガスGP(ラスベガス市街地コース)

対照的だったのは、17番グリッドからスタートしたアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)だ。角田は序盤、アントネッリとポジションを争う立場にあったが、終わってみれば二人の明暗はくっきり分かれた。

不正スタートによる5秒ペナルティを背負いながらも、角田と同じタイミングでハードへ交換した後、驚異的なペースで追い上げを見せた。タイヤを丁寧にマネジメントしつつも周回ごとに前との差を削り、最終的には5位でフィニッシュし、マクラーレン勢の失格により3位表彰台に繰り上がった。

同じ後方スタートながら、ポイント圏内はおろか上位に食い込んだルーキーと、ペース不足で下位に沈んだ角田。RB21のセットアップ変更は、期待した効果を生まなかったようだ。

ラッセルを再び襲ったパワステ問題

ジョージ・ラッセル(メルセデス)は2番手浮上の1周目の好機を生かせなかった。予選に続きパワーステアリングの問題を訴え、34周目のターン14でノリスにかわされ3位でフィニッシュ(最終2位)。レース後には、ピットストップ直後にプッシュしすぎたことでタイヤを傷めたと明かした。

表彰台に立つウィナーのマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)、2位ランド・ノリス(マクラーレン)、3位ジョージ・ラッセル(メルセデス)、そしてジャンピエロ・ランビアーゼ(レッドブル・レーシング レース責任者)、2025年11月22日(土) F1ラスベガスGP決勝(ラスベガス市街地コース)Courtesy Of Red Bull Content Pool

表彰台に立つウィナーのマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)、2位ランド・ノリス(マクラーレン)、3位ジョージ・ラッセル(メルセデス)、そしてジャンピエロ・ランビアーゼ(レッドブル・レーシング レース責任者)、2025年11月22日(土) F1ラスベガスGP決勝(ラスベガス市街地コース)

4位はシャルル・ルクレール(フェラーリ)、5位はカルロス・サインツ(ウィリアムズ)、6位にはアイザック・ハジャー(レーシング・ブルズ)が続いた。ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)は第1スティントを引っ張る戦略を選び、ポイント圏外から7位入賞をつかみ取った。

最後尾19番手から出走したルイス・ハミルトン(フェラーリ)は、1周目の混乱を巧みにすり抜け12番手に浮上。エステバン・オコンとオリバー・ベアマンのハース勢を退け、10位フィニッシュ(最終8位)でポイントを持ち帰った。

スタート直後の混乱と安全上の懸念

スタート直後にはローソンとピアストリの接触に加えて、ガブリエル・ボルトレート(ザウバー)がランス・ストロール(アストンマーチン)に追突。両者が早々に戦線離脱する波乱の展開となった。

レース運営における重大な安全上の懸念も発生した。オープニングラップの混乱直後、まだ何のフラッグも提示されていない状況下で、ターン1のランオフエリアを多くのマーシャルが移動している姿が目撃された。あわや大惨事となりかねない危険な事態だった。

アレックス・アルボン(ウィリアムズ)は複数の違反で立て続けに処分を受け、最終的にリタイヤとなった。14周目、オーバーテイクを狙ってハミルトンのリアに近づいた際に接触し、デブリが散乱して2度目のVSCが導入された。アルボンには5秒ペナルティが科され、フロントウイング交換のためにピットイン。さらにスタート手順違反で戒告を受け、37周目にガレージにクルマを入れた。

2025年F1第22戦ラスベガスGP決勝リザルト

PosNoDriverTeamLapsTimePTS
11マックス・フェルスタッペンレッドブル・ホンダRBPT501:21:08.42925
263ジョージ・ラッセルメルセデス50+23.546s18
312アンドレア・キミ・アントネッリメルセデス50+30.488s15
416シャルル・ルクレールフェラーリ50+30.678s12
555カルロス・サインツウィリアムズ・メルセデス50+34.924s10
66アイザック・ハジャーレーシングブルズ・ホンダRBPT50+45.257s8
727ニコ・ヒュルケンベルグザウバー・フェラーリ50+51.134s6
844ルイス・ハミルトンフェラーリ50+59.369s4
931エステバン・オコンハース・フェラーリ50+60.635s2
1087オリバー・ベアマンハース・フェラーリ50+70.549s1
1114フェルナンド・アロンソアストンマーチン・メルセデス50+85.308s0
1222角田裕毅レッドブル・ホンダRBPT50+86.974s0
1310ピエール・ガスリーアルピーヌ・ルノー50+91.702s0
1430リアム・ローソンレーシングブルズ・ホンダRBPT49+1 lap0
1543フランコ・コラピントアルピーヌ・ルノー49+1 lap0
NC23アレックス・アルボンウィリアムズ・メルセデス35DNF0
NC5ガブリエル・ボルトレートザウバー・フェラーリ2DNF0
NC18ランス・ストロールアストンマーチン・メルセデス0DNF0
DQ4ランド・ノリスマクラーレン・メルセデスDSQ0
DQ81オスカー・ピアストリマクラーレン・メルセデスDSQ0

コンディション

天気晴れ
気温17℃
路面温度24℃

セッション概要

グランプリ名 F1ラスベガスGP
レース種別 決勝
レース開始日時

サーキット

名称 ラスベガス市街地コース
設立 2023年
全長 6201m
コーナー数 17
周回方向 反時計回り

F1ラスベガスGP特集