
フェルスタッペンとマルコ、予選評価に温度差「タイミングの綾」が明暗か―決勝はノリス意識の“強襲モード”へ
雨に見舞われた2025年F1第22戦ラスベガスGP予選でマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、選手権をリードするランド・ノリス(マクラーレン)に次ぐ2番グリッドを獲得した。
最前列からのスタート――決して悪いポジションではないが、チームのアドバイザーを務めるヘルムート・マルコにとっては歯がゆい結果だった。マルコはドイツの衛星テレビ局『Sky Sports』に対し、「Q1とQ2を終えた段階では、正直、ポールポジションを期待していた」と漏らした。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
P2ボードの前にクルマを止めるマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)、2025年11月21日(金) F1ラスベガスGP予選(ラスベガス市街地コース)
見逃した一瞬の「タイミング」
マルコによれば、敗因は最終アタックに向けたコースインの「タイミング」にあったという。
「タイミングが上手くいかなかった。ランド(ノリス)がやったような最後のアタックラップを、我々は逃してしまった。あの瞬間こそが最も路面状況が良かった。加えて、我々はタイヤのクールダウンも上手くやれなかった」
ポールに手が届くだけのペースがあったかどうかについて問われると、マルコは「十分に狙えた。間違いなく可能性はあった」と即答した。
各車の走行サイクルに”ズレ”があったこともあり、コース上で最適なスペースと「タイミング」を見つけ出すのは決して容易ではなかった。ノリスが最終アタックに向かう中、フェルスタッペンは早々にピットへ戻らざるを得なかった。
「おそらく、少しばかり早くコースに出過ぎてしまったのかもしれない」とマルコは幾らか落胆した様子を見せた。
フェルスタッペンの冷静な自己分析
Courtesy Of Red Bull Content Pool
ドライバーズ会見に出席する予選2番手のマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)、2025年11月21日(金) F1ラスベガスGP(ラスベガス市街地コース)
一方で、実際にRB21のステアリングを握ったフェルスタッペンの見解は異なる。4度の王者は現実的だった。
マルコが手応えを口にしたQ1とQ2はフルウェット。一方でポールを争うQ3はインターミディエイトでの勝負となった。
「エクストリームタイヤの方がインターミディエイトよりも競争力があったと思う」としたうえで、フェルスタッペンはこう続けた。
「もう1周、走れなかったのは確かに不運だけど、Q3全体を見れば、そもそもポール争いに加わわれるレベルじゃなかったし、これで十分だよ」
ウェットを得意とするフェルスタッペンでさえ、温度が15℃を下回ったローダウンフォースの濡れた路面は、壁との衝突を予感させる危険なものだった。
「さすがにやり過ぎという感じで、正直、楽しめたものじゃなかった」と肩をすくめた。
決勝を見据えた「ドライセッティング」
予選が雨になることは織り込み済みだったが、レッドブルは決勝に照準を合わせ、クルマをドライ仕様に振った。
「フロントウイングの調整はできるが、それ以外はドライ向けのセットアップだ」とマルコは説明し、タイトル争いのライバルであるノリスに対し、宣戦布告とも取れる言葉を口にした。
「誰もがロングランをこなしていないため、ドライでどうなるかは未知数だ。タイヤ選択も含めてエキサイティングな展開になるだろう」
「だが、我々には失うものがない。リスクを冒していくつもりだ。ランドの方は、安全策をとるべき立場だろうからね」
マクラーレンは決勝で守勢に回り、レッドブルは攻めの姿勢を貫くのか。ラスベガスの決勝は、心理の読み合いと戦略が入り混じる一戦になりそうだ。
雨に見舞われた2025年F1ラスベガスGP予選では、ランド・ノリス(マクラーレン)がマックス・フェルスタッペン(レッドブル)を抑えてポールポジションを獲得。3番手にはカルロス・サインツ(ウィリアムズ)が続いた。
決勝レースは日本時間11月22日(日)13時にフォーメーションラップが開始され、1周6,201mのラスベガス市街地コースを50周してチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。