トロ・ロッソのテクニカル・ディレクターを務めるジェームス・キーcopyright Getty Images / Red Bull Content Pool

トロロッソ技術責任者が明かすホンダF1「死に物狂いで努力している」エンジンの信頼性・馬力、協力関係を語る

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プレシーズンテスト最終日の3月1日、スクーデリア・トロロッソの技術部門を率いるジェームス・キーが、飛躍的に向上しているホンダエンジンの信頼性、ホンダとの共同作業のあり方、ホンダPUとライバルメーカーPUとの馬力差について語った。

ホンダエンジンの信頼性「驚く事ではない」

4日目の日程で開催されたカタロニア・サーキットでの第一回プレシーズンテストを終え、トロロッソ・ホンダは圧巻の信頼性を誇るメルセデスを抑え、324周のチーム別最多周回を記録した。昨年のホンダが数え切れないほどの信頼性のトラブルに見舞われ事を考えれば、この結果は多くのファンにとって「驚き」と言える。

豪雨の中、STR13を走らせるブレンドン・ハートレー
© Getty Images / Red Bull Content Pool、豪雨の中を走るブレンドン・ハートレー

だがキーによれば、ホンダの仕事に対する取り組み方と姿勢を間近で見ていれば、全く驚くような事ではないという。

「昨年の状況だけを見ていたのならちょっと驚きだろうけど、我々は現在彼らと一緒に働いているわけだから、そんなにびっくりすることじゃない。彼らが持つ施設と成功に向けて死に物狂いで努力する姿を見ているから、驚きではないんだ」

「もちろん実際にコースに出てみないと分からない事もあるが、今のところ大きな問題は全くない。ちょっとしたトラブルはあったけど、あれは全部シャシー側の問題だった」

関係性と働き方「車体側の都合を押し付けない」

フェラーリと同じイタリアのチームであるトロ・ロッソは、英国のマクラーレンとは文化も規模も大きく異なる。昨年の提携発表以降、両者は度々蜜月関係にあることを仄めかしているが、具体的にどのように共同作業を進めているのだろうか?

キーは、ホンダがこれまでマクラーレンとどのような形で仕事に取り組んでいたのは知らない、と前置きした上で次のように語った。

「ホンダには、エンジンを改善するために必要なあらゆる事をして欲しいと思っているから、要求を突きつけるようなアプローチはしていないんだ」

「短期的にみれば、2018年のエンジンについては我々が取り扱う上で少しばかり妥協してもらう必要のあるエリアがあったけどね。でも基本的には彼らを全面的にサポートしてる。彼らが必要と考えている事ができるように、思い通りに仕事を進めていって欲しいと思ってる」

「彼らには試してみたいと考えている事が幾つかあったんだけど、我々はそれを支持したよ。シャシー側の都合を理由に難問を押し付けたりはしなかった。彼らとしても満足してくれているんじゃないかと思ってる」

走行を見守るジェームス・キー
© Getty Images / Red Bull Content Pool

「ゼロからのスタートだから、来年に向けて密接な協力関係を築いている。19年仕様のエンジンとシャシーとの組み込み、あらゆるシステム、今我々は自由に議論し合っている。ホンダにはこう伝えてあるんだ。”何がやりたいのか教えて欲しい。我々はトレードオフするつもりだ。何がベストなパッケージなのかを導きだそう”ってね」

「我々が目指しているのは、最高のパワーユニットでも最高のシャーシでもなく、最高のパッケージを作り上げる事なんだ。それはエンジンと車体のコンビネーションによって生まれるものだ」

「一緒に働く上で彼らはとてもスムーズだし、我々はとても開放的だから彼らは僕らのミーティングやその類の全てに参加している。誰もが何が起きているのかを把握しており、彼らとともにあらゆる面で楽観的に仕事に取り組んでいる。これまでのところ、本当に本当にスムーズなんだ。この先もそれは変わらないはずさ」

ホンダとルノーとの馬力差「あと半年で追いつく」

メルセデスとフェラーリは別として、ルノーとホンダのエンジン性能の差はどの程度なのか?今年初め、独Auto Motor und Sportは4メーカーの馬力推定値を公表。GPSデータから算出したとされるその値は、メルセデスが949馬力、フェラーリが934馬力、ルノー907馬力、ホンダが881馬力であった。

昨年のルノー製パワーユニットを知るキーは英Sky Sportsに対し、ホンダエンジンがルノーより劣る可能性がある事は認めるものの、報じられている程のギャップはないと感じており、両者の差は、早ければ今シーズン半ばまでには完全に収束するだろうと予想する。

「実際のところ、去年噂されていた程の差はないだろうね。シーズン終了の時点で恐らくホンダはルノーに限りなく近づいていたはずだし、今年更にステップアップしている」

「ホンダは昨年のシーズン前半にあらゆる困難に見舞われた。だが、彼らにはパワーユニットの開発能力があり、シーズン終了までに向上させてみせた。今年も同じように進化し続けている。その傾向が変わらない限り、今年中盤か後半までに間違いなくルノーと真っ向勝負ができるところまで改善するだろう」