予選14番手に終わりガレージに戻ったリアム・ローソン(レーシング・ブルズ)、2025年4月5日(土) F1日本GP(鈴鹿サーキット)
Courtesy Of Red Bull Content Pool

「何だったんだ、あれは」ローソンが復帰戦で吐露した“苛立ち”、ハジャー輝くその陰で

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レーシング・ブルズでの復帰戦となった2025年F1第3戦日本GPでリアム・ローソンは、チームメイトである新人アイザック・ハジャーが8位入賞を果たした一方、ポイント圏外17位に終わった。

レーシング・ブルズの2025年型「VCARB 02」はレッドブル「RB21」と比べてセットアップのウインドウが広く、また特性も緩やかなオールラウンダーと見られており、比較的ドライブしやすいとされる。

そのため、チーム代表のローラン・メキーズは、ローソンの即時戦列復帰に期待を寄せていたが、予選ではQ3に進出できず、また決勝では開始早々のミスにより角田裕毅にオーバーテイクされるなど苦しい展開に。終わってみれば4ポジションダウンの17位と、厳しいレースとなった。

鈴鹿サーキットは伝統的にオーバーテイクが難しく、再舗装によってデグラデーションが大幅に低下したことで、1ストップ戦略が主流となった。ローソンが復帰戦を入賞で締めくくるには、大胆な戦略の成功が不可欠だった。

その中でチームは、ローソンの第1スティントを意図的に長引かせる戦略を選択。しかし、これが功を奏することはなく、ポジションを失う結果となった。

ドライバー別タイヤ戦略、2025年4月6日F1日本GP決勝レース(鈴鹿サーキット)Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

ドライバー別タイヤ戦略、2025年4月6日F1日本GP決勝レース(鈴鹿サーキット)

レース後、レースエンジニアのエルネスト・デジデリオが無線で「セーフティーカーが出ることを期待して引っ張りすぎた」と戦略の失敗を認めたのに対し、ローソンは「なんだったんだ、あれは」と苛立ちをあらわにした。

「あまり言うことはない。とにかくスティントを引っ張った。何か別のことを試そうとしたんだと思うけど、うまくいかなかった」とローソンは振り返る。

「スタートからして厳しかった。本当に難しかった。でもまぁ、今回のことから僕らは学べると思う」

「クルマに慣れ、プッシュしていけるように学んでいる過程だ。週末を通しては良いペースも見せられたけど、必要なときにそれを発揮できなかった」

今回の鈴鹿を皮切りに、F1はバーレーン、サウジアラビアと3週連続での開催を迎える。ローソンにとっては、失意の復帰戦から巻き返すための絶好の機会となるが、レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーであるヘルムート・マルコが課すハードルは決して低くない。

「予選が問題だったが、彼は巻き返してくれるだろう。次の数戦でのポイント獲得を期待している」とマルコは語った。すなわち、続く2戦ではローソンに”トップ10フィニッシュ”の目標が課せられるということだ。

一方でマルコは、レッドブル昇格後、初のレースに臨んだ角田裕毅について、予選を除けば僚友マックス・フェルスタッペンに肉薄するペースを見せていたとして、「我々の求めている水準にある」と好意的に評価。また、屈指の難コース、鈴鹿で8位フィニッシュし、キャリア初入賞を果たしたハジャーを「才能にあふれる若手」と絶賛した。


2025年F1第3戦日本GP決勝レースでは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポール・トゥ・ウインで通算64勝目を上げた。2位はランド・ノリス、3位はオスカー・ピアストリと、マクラーレン勢がこれに続いた。

バーレーン・インターナショナル・サーキットを舞台とする次戦バーレーンGPは、4月11日のフリー走行1で幕を開ける。

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