
ルクレール車との“差”に言及―ハミルトンが不調の原因を示唆、日本GPを経て
F1第3戦日本グランプリを終えたルイス・ハミルトン(フェラーリ)は、チームメイトであるシャルル・ルクレールのSF-25と比較して、自身のマシンに「パフォーマンス上の欠陥」があったと説明した。
予選8番手のハミルトンは、決勝ではアイザック・ハジャー(レーシング・ブルズ)の1台を追い抜くにとどまり、7位でフィニッシュした。一方、ルクレールは予選でハミルトンを0.3秒上回り、決勝ではハミルトンに13秒差の4位でフィニッシュした。
英インディペンデント紙によるとハミルトンは、「(本来の)性能を下回る何かが僕のクルマにあることが分かった」と語り、明確な問題点の特定は避けつつも、「次戦には何らかの前向きな変化が見られると期待している」とコメント。新型フロアを含むアップグレード導入が見込まれる次戦バーレーンGPに向け、改善に期待を寄せた。
「開幕からの3戦を通して、隣のガレージと比べてクルマのある要素に若干、パフォーマンス上の欠陥があったんだ。それによって本来のパフォーマンスが発揮できなかった。そういうことだと分かって良かったよ。これは今の状態で出せるベストの結果だったと思う」
また、開幕からの3戦で「1周あたり0.1秒以上」を失っているとも明かし、「新しいコンポーネントが導入されれば、問題は解消されるはず。レースペースにはそこそこ満足してるし、チームとしても、僕自身とリカルド(アダーミ、レースエンジニア)としても、いい仕事ができたと思う。ここから前に進むだけだね」と語った。
ルクレール車とスペックに違い?
問題の“差”については、「ルクレールの方が優れたスペックのクルマなのでは」との憶測もあり、また特定のコンポーネントに製造上の欠陥があった可能性も考えられるが、両車のセットアップの違いも注目される。
開幕戦オーストラリアGPでハミルトンは、チームの基本方針に沿ったセッティングを採用。しかし第2戦中国GPでは自身の判断で大幅な変更を加え、スプリントではポールポジションと勝利を収めた。
一方、さらなる変更を加えたことが裏目に出て本戦予選ではペースを落とし、さらに決勝では車高が低すぎたことによりプランクの摩耗が規定値を超過。これにより失格処分を受けた。
こうした経緯から、日本GPでは車高を保守的に設定せざるを得ず、これがパフォーマンス低下につながった可能性も考えられる。
ハミルトンはメルセデス時代から、可能な限り車高を下げてクルマを硬めに仕上げる方向性を好みとしてきた。鈴鹿では、「理想」とは異なる車高にせざるを得なかったと認めている。
Courtesy Of Ferrari S.p.A.
鈴鹿サーキットを走行するシャルル・ルクレールのフェラーリSF-25、2025年4月6日(日) F1日本GP決勝レース
フェラーリ代表「差はドライバー自身の選択」
チーム代表のフレデリック・バスールは、バランスを含めた両車の差異について「ドライバー自身の選択によるもの」だと語り、パーツのスペックに違いはないと示唆した。
「まだ新車の特性を探っている段階で、各々のドライバーに適した方向性を探すために試行錯誤しているところだ。バーレーンではより上手くコントロールできるようになるだろう」
Courtesy Of Ferrari S.p.A.
ピットウォールからガレージを見守るフェラーリのフレデリック・バスール代表、2025年4月6日(日) F1日本GP(鈴鹿サーキット)