岩佐歩夢、次は「世界の頂点」へ―最終戦で逆転の2025年スーパーフォーミュラ王者に輝く

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11月23日、秋晴れの鈴鹿サーキットで開催された2025年全日本スーパーフォーミュラ選手権第12戦。今季のクライマックスとなるこの一戦で、レーシング・ブルズのF1リザーブドライバー、岩佐歩夢(TEAM MUGEN)がポール・トゥ・ウインで今季2勝目を挙げ、参戦2年目にして自身初となるドライバーズチャンピオンを獲得。「世界の頂点」を目指す若武者が、日本最高峰のカテゴリーを制圧した。

スーパーフォーミュラ最終第12戦のレースの様子、2025年11月23日鈴鹿サーキットCourtesy Of SUPER FORMULA

スーパーフォーミュラ最終第12戦のレースの様子、2025年11月23日鈴鹿サーキット

僚友との攻防、そしてライバルの脱落

気温17℃、路面温度28℃という絶好のコンディションの中、午後2時30分にシグナルがブラックアウト。勝負の分かれ目はスタート直後に訪れた。

ポールポジションの岩佐に対し、予選2番手のチームメイト・野尻智紀が良い蹴り出しを見せ並びかける。だが野尻は、タイトルを争う僚友に対して一歩引いたのか、失速して佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)らの先行を許すこととなった。これにより岩佐はクリアな視界を手に入れた。

一方、ランキング首位で最終戦を迎えたライバルの坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)は苦しんだ。スタート直後のターン2でコースオフを喫し9番手まで後退。その後もペースに苦しみ、挽回を図るも8位でのフィニッシュにとどまった。

SC導入の波乱も跳ね除けた“王者の走り”

レースは11周目、野中誠太(KDDI TGMGP TGR-DC)と大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO INGING)の接触事故によりセーフティーカー(SC)が導入される波乱の展開となる。

このタイミングで、タイヤ交換を遅らせる戦略を採っていた佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)らがピットへ殺到。隊列が整った際の実質的な順位は、トップ岩佐、2番手太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、3番手佐藤というオーダーとなった。

14周目のリスタート後、レースは岩佐と、太田をかわして2番手に浮上した佐藤の一騎打ちの様相を呈する。佐藤は東コース、岩佐は西コースで速さを見せ、1秒以内の緊迫したバトルが続いた。だが岩佐は、オーバーテイクシステムを巧みに使いこなし、隙を見せることなく31周を走り切った。

トップでチェッカーを受けた岩佐は、佐藤、太田を従え表彰台の頂点へ。この勝利によりポイントランキングで劇的な逆転を果たし、2025年のシリーズチャンピオンに輝いた。

「全てが楽しかった」次は世界へ

レース後、岩佐は「絶対に欲しかったチャンピオンを獲得できて嬉しい」と喜びを爆発させた。

「スーパーフォーミュラは本当にレベルが高い選手権ですし、シーズンを通していろいろなことがありました。苦しく難しい瞬間もありましたが、振り返ってみれば全てが楽しかったと感じられます」

そして、その視線はすでに先を見据えている。

「今後も世界の頂点を目指して突き進んでいきたいです」

HRC(ホンダ・レーシング)の渡辺康治社長も「シーズン序盤の苦しい時期も頂点だけをまっすぐに見据えて道筋をつくり、自らチャンピオンを掴み取ってくれた。それはプロフェッショナルとしての成長と情熱の証」と最大級の賛辞を送った。

F1に次ぐ最速のカテゴリーとも言われるスーパーフォーミュラで、速さと強さを証明した岩佐歩夢。そのキャリアの次なる章を楽しみにしたい。