F1イタリアGP タイヤ戦略考と温存セット︰上位勢はほぼ一択か
今季最多9台に降格ペナルティが科された事で、予選とスターティンググリッドとの間に大変動が生じたモンツァでのF1第16戦イタリアGP。53周の決勝では一体どのようなタイヤ戦略が考えられるのだろうか?
予想される天候・コンディション
木曜と金曜の朝に雨が降ったものの以降は気候が安定しており、決勝当日も好天が期待できそうだ。
予選が行われた土曜のように暖かいドライコンディションが予想されている。気温は30度近くまで上昇する見込みだ。
想定されるタイヤ戦略
タイヤ戦略は1ストップ一択だろう。デグラデーションは十分に低く、モンツァはピットレーンでのロスタイムが大きい。
理論上の最速ストラテジーについて公式タイヤサプライヤーのピレリは、ソフトからハードに繋ぐ1ストッパーだと説明する。
第2スティントにハードを投じるのが本当に速いかどうかはさておき、基本的に特に上位勢はスタートタイヤに最も高いグリップを持つソフトを選ぶ事が予想される。
ピレリ曰く、同じ場所からスタートした場合、ソフトはミディアムに対して6メートル分のアドバンテージがある。つまりターン1までに前に出られるという事だ。また、今週末のソフトはミディアムと比較して1周あたりコンマ5秒近く速い。
ピレリが「代替案」として記す第2スティントにミディアムを使用する場合の課題はリアのデグラデーションだ。摩耗が進むに連れてトラクションが失われるため、いわゆる「良いカモ」にされるリスクがある。
ただ、デグを抑えられればハードよりもミディアムを使う方が速そうだ。黄色に縁取られた今週末のミディアムはハードに対して1周あたり約0.5秒のアドバンテージがある。
第2スティントにハードを履くもう一つのデメリットは、アンダーカットが効かない事だろう。このコンパウンドは熱入れに時間がかかる。
グリッド降格により、本来あるべき場所よりも遥か後方からスタートするカルロス・サインツ(フェラーリ)やルイス・ハミルトン(メルセデス)は戦略に幅を持たせるため、ソフト以外をスタートに選ぶ可能性がありそうだ。