トロロッソ・ホンダ、思い切った試みで大きな収穫「改善に向けて非常に興味深い発見」F1バルセロナ合同テスト2日目
2日間の日程で開催された今季初のインシーズンテストを終えて、トロロッソ・ホンダのチーフ・レースエンジニアを務めるジョナサン・エドルズは、通常のレースウィークでは実施できない思い切った試みによって「改善に向けて非常に興味深い発見があった」と述べ、次戦モナコGP以降のレースに自信を示した。
恒例のカタロニア・サーキットでのシーズン中テストは、第5戦スペインGPを終えた翌々日の15日火曜に開幕。2日目水曜ともに晴天に恵まれ、テストには有り難いドライコンディションの中で走行を重ねた。
ラジエーターからのオイル漏れによって初日の大半を失ったトロロッソ・ホンダは、残された8時間のセッションでテストを完了させるためタスクの優先順位を見直し、複合的な空力テストやマシンの特性解析等、項目を絞り込んで2日目に臨んだ。
グランプリウィークには計5時間のフリー走行が用意されているものの、予選と決勝に向けた準備で慌ただしいため、テスト目的のプログラムを実施することは難しい。合同テストのメリットを活かすべく、チームは車体特性を把握するためマシンに極端なセットアップを実施。この試みが実を結んだようだ。
改善に向けて非常に興味深い発見があった
ジョナサン・エドルズチーフ・レースエンジニア
今回のバルセロナテストは難しい形での幕開けになってしまったが、チームはプランを練り直し、二日目のテストを最高の形でスタートさせてくれた。昨日はトラブルのために走行時間が限られてしまったから、ショーンには午前のセッションを担当してもらう事にしたんだ。
複合的な空力テストやマシンの特性解析、冷却系の評価やタイヤテスト、そして膨大な量のメカニカルセットアップ等、優先順位の高いテストを数多く消化することができたよ。また、マシンの限界を探るために極端なセットアップの変更を行ったテストをしたんだが、いくつか非常に興味深い方向性を見つけることができた。より詳細に分析して理解を深めるつもりだ。
今日はショーンがSTR13でまともに走った最初の日だったわけだが、彼はすぐさま速さをみせていた。レースドライバー達と同じ位、マシンに対するフィードバックも良かったよ。午後はピエールがテストを引き継いだ。空力の効果測定のためにエアロレイクを装着した状態でショートランを行う事から始めた。ところが、ステアリングに問題が発生してしまい交換するのにかなりの時間を要する羽目になってしまった。そのせいで午後4時まで走ることができなかったよ。
© Honda、エアロレイクを付けて走行するSTR13
その後はスムーズに周回を重ねる事ができた。少しばかり走行を妥協することで予め計画していたプランを何とかカバーできたし、必要としていたデータを全てを集めることができた。二日間で何回か小さな問題が発生してしまったけど、計画していた主要なテスト項目については何とかカバーすることができた。興味深いセットアップの方向性と、解析のための大量のデータを得る事が出来たよ。
トロロッソ・ホンダの最終2日目は、午前の4時間あまりの走行でショーン・ゲラエルが83周を走破。午後を担当したピエール・ガスリーはステアリングのトラブルによって39周に留まったものの、チームとしてトータル122周を走り込んだ。
トップタイムはバルテリ・ボッタス(Mercedes)、2番手はアントニオ・ジョビナッツィ(Ferrari)、3番手にランド・ノリス(Mclaren)が続いた。詳しくは、F1バルセロナ合同テスト2日目順位結果を参照されたい。
2日間に渡って行われたテストスケジュールはすべて終了。チームは今回のテスト結果を踏まえ、5月24日(木)から始まる第6戦F1モナコGPに向けて準備を進める。