インディ500:4周平均2番手のマルカス「佐藤琢磨なしにはあり得ない」39年ぶりの新人ポールに期待
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長く険しく厳しいレースとなるだけに、リザルトがどうなるかはまた別の問題だが、デイル・コイン・レーシングが第106回インディ500に向けて絶好調にあるのは疑いない。
それは佐藤琢磨がファストフライデーまでの全プラクティスで最速を刻んだからという事のみならず、僚友のルーキー、デイビット・マルカスが同じ様に印象的なスピードを見せている事からも明らかだ。
予選に向けて90馬力が追加された20日(金)の「ファストフライデー」で20歳のリトアニア系アメリカ人ドライバーは、シングルラップで7番手を刻み、予選想定の4周平均ラップではトニー・カナーン(A.J.フォイト)に次ぐ2番手をマークした。
この日は高い路面温度に加えて、時折、突風が吹き荒れる非常に難しいコンディションで、ドライバーは1ラップを通して劇的に変化するマシンバランスに対処しなければならなかった。
2度のインディ500ウィナーであるベテランの佐藤琢磨ですら3・4周目に苦戦。4ラップ連続アベレージでは5番手だった。対して新人のマルカスは佐藤琢磨曰く「4周平均で本当に素晴らしい走り」を披露した。
当然、ポールポジションへの期待も高まる。”ツワモノ”揃いのインディ500でルーキーポールシッターに輝いたのは、1983年のテオ・ファビまで遡らなければならない。
こうした期待に対してマルカスは、佐藤琢磨からの的確なアドバイスなしに、これほどのスピードを発揮するのは不可能だっただろうと語った。
ファストフライデーを終えてマルカスは「全体的には本当に良い感じだけど、タクマがいなければ、彼からのヒントや洗いざらいのデータがなければ、僕は今のようなポジションにはいないだろうね」と語った。
「今日も予選に向けて、本当にたくさんのアドバイスをしてくれた。コースに出ると、その意味を残らず全て、すぐに経験する事ができた」
「もし彼がそういったアドバイスを与えてくれなかったら、僕は間違いなくパニックに陥っていただろうし、おそらく一日中自信が持てず、全くクルマをプッシュできなかったと思う」
「だれもこんな状況になるとは思ってもみなかっただろうね。というか僕自身も、こんな風になるとは思っていなかった」
「何にせよ僕は兎に角、幸せだよ。チームメイトが佐藤琢磨で、インディアナポリス・モーター・スピードウェイでインディカーを走らせる事ができているんだから。おまけに速い」
「もし子供の頃に将来そうなるよって言われたとしたら、僕はそいつを嘘つきだとみなしただろうね。もしくは目を覚ますためにほっぺをツネったはずさ」
21日(土)のインディ500予選は現地11時、日本時間24時よりBSスカパー!でライブ配信される。決勝は日本時間5月29日(日)24時よりGAORA SPORTSで生中継される。視聴には「スカパー!」の他、光回線を使った「ひかりTV」「auひかり」なら、面倒なアンテナ設置なしでインディカーを楽しむ事もできる。また決勝はHulu ライブTVでもストリーミング配信される。