インディカー第2戦フェニックスGPのポディウム
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インディカー 第2戦フェニックス順位結果:ラスト9周で怒涛の争い、佐藤琢磨 11番手フィニッシュに苛立ち

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全車共通のユニバーサル・エアロキットが導入された2018年インディカーシリーズ。第2戦フェニックスの決勝レースが現地4月7日に行われ、前年シリーズチャンピオンのジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)が自身8度目の優勝を飾った。ルーキーのロバート・ウィケンズ(シュミット・ピーターソン)が2番手、アレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポーツ)が3番手と続いた。

戦略噛み合わず苛立つ琢磨

予選13番手スタートの佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)、同じ地で行われたシーズン前フェニックス・オープンテストでは総合トップの座を手にしていたにも関わらず、テスト時よりも気温が上がった今回のレースでは終始スピードが上がらない。一時は2番手を走行するも、ピット戦略も振るわず結局11番手でレースを終えた。

「厳しい週末でした」と佐藤琢磨。落ち着き払った語り口が印象的な琢磨だが、この日の言葉尻は苛立つが溢れる険しいものだった。「開幕前のテストは非常にポジティブなものでしたが、レースで戻ってくると非常に難しい状況に変わっていました。分からない部分が多いまま予選を迎え、マシンには多くの変更を施さなくてはなりませんでした」

「レースでも状況は大きく変わっておらず、安心してドライビングのできるマシンに仕上げることはできませんでした。レース展開も私たちの選んだ作戦には向かないものとなりました。13位スタートで11位フィニッシュでは、いい週末とは呼べません」

「今日のレースではピットタイミングが大きなポイントとなっており、私たちのチームはスティントを長くし過ぎていました。タイヤがグリップを失った頃に、最もバトルが激しくなっていました。そこで何台かのマシンをオーバーテイクすることはできましたが、フラストレーションのたまるレースとなってしまいました」

開幕とは一変したレース展開、終盤にドラマ

ナイトレースとなった7日のフェニックスは気温34度のドライコンディション。1周1.64kmを僅か20秒程で駆け抜けるショートオーバルコースを250周、計411kmで争われた。

初戦のセントピーターズバーグでは8度のフルイエローが宣言されたが、今回は僅か2度のみ。どちらも単独のクラッシュで、複数台が絡むクラッシュは見られないクリーンなレースとなった。

金曜日の予選でポール・ポジションを飾ったセバスチャン・ブルデーと、4番手スタートのアレクサンダー・ロッシは最初のピットストップでクルーに激突するアクシデントに見舞われた。ドライブスルーペナルティーが科せられ2台ともいきなり最後尾まで順位を落とすことに。

イエローが出ないままのアンダーグリーンでのピットストップが続いたが、レース展開は終盤で大きく動いた。残り20周で2番手を走行していたエド・ジョーンズ、周回遅れを抜こうとした際にラインを外し単独でウオールにヒットしイエローコーション。ニュータイヤに履き替えた8台と履き替えずに残った3台が、残り9周で激しいバトルを繰り広げた。

ステイアウトしたのはウィッケンズとその僚友ジェームズ・ヒンチクリフ、そして序盤のペナルティを挽回し追い上げていたロッシ。リスタートと同時に、新品タイヤを履いた4番手走行のニューガーデンが、ロッシとヒンチクリフを一気にオーバーテイク。残り3周でついにトップのウィッケンズを捕え劇的な勝利を収めた。

前戦開幕セントピーターズバーグで残り2週までトップを走行しながらも、ロッシに追突されて惜しくも優勝を逃したルーキーのウィッケンズは、インディカーで初の2位表彰台を獲得した。

今回インディカー・デビューとなった元F1ドライバーのエマーソン・フィッティパルディの孫ピエトロは、レース序盤の40周目に単独でクラッシュし早々にレースを終える事となった。

インディカー第二戦フェニックス順位結果

Pos. Driver Gap(秒)
1 ジョセフ・ニューガーデン
2 ロバート・ウィッケンズ 2.9946
3 アレキサンダー・ロッシ 3.4890
4 スコット・ディクソン 3.8175
5 ライアン・ハンターレイ 4.0122
6 ジョームズ・ヒンチクリフ 9.4497
7 エド・カーペンター 9.4731
8 トニー・カナーン 9.8650
9 グラハム・レイホール 10.1747
10 シモン・パジェノー 10.3247
11 佐藤琢磨 10.9443
12 マルコ・アンドレッティ 1 LAPS
13 セバスチャン・ブルデー 1 LAPS
14 スペンサー・ピゴット 1 LAPS
15 ギャビー・チャベス 1 LAPS
16 ザック・ビーチ 1 LAPS
17 チャーリー・キンボール 2 LAPS
18 マックス・チルトン 3 LAPS
19 マティアス・レイスト 9 LAPS
20 エド・ジョーンズ 22 LAPS
21 カイル・カイザー 76 LAPS
22 ウィル・パワー 97 LAPS
23 ピエトロ・フィッティパルディ 210 LAPS

次の第三戦は、佐藤琢磨が2013年にインディカー初優勝を飾ったロングビーチ。4月15日(日)に決勝が行われる。