2018 INDYCARのスケジュール
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2018年 インディカー開催カレンダーと参戦チーム及びドライバー、規約とマシンの概要

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23回目のシーズンを迎える2018年のインディカー・シリーズ(Verizon IndyCar Series)は、昨シーズン同様に全17戦で争われる。米国オープン・ホイールの公式チャンピオンシップとしては97回シーズン目となる。開幕戦は3月11日(日)、フロリダの市街地コース”セント・ピーターズバーグ”で開催され、最終第17戦は9月16日(日)にロードコースのソノマ・レースウェイにて行われる。

18年のインディにはダラーラ製の新しいユニバーサルエアロキットが導入され、ホンダとシボレーが独自開発していた昨シーズンまでと異なり、全マシンが共通してこれを使う。シャシーは変わらずDallara DW12。新時代の空力キットは、前走するマシンへの接近を容易にし、更なるオーバーテイクのチャンスをもたらすものと期待されている。

開催日程カレンダー

5つの市街地コース、6つの常設のロードコース、そして6つのオーバルコースから構成される。目玉となるオーバルは、昨年同様にスーパースピードウェイが3戦、ショートオーバルが3戦となる。

インディカーレースの100年の歴史と伝統の象徴である第102回インディアナポリス500は、5月27日(日)に決勝が行われる。佐藤琢磨はディフェンディング・チャンピオンとして2連覇を目指す。

新しい顔ぶれとなるのは、ワトキンズ・グレン・インターナショナルに代わって組み込まれたポートランド・インターナショナル・レースウェイ。オレゴン州ポートランドに位置する1周3.17kmの常設サーキットでのレースは、9月2日(日)に行われる。

ラウンド 決勝日時 サーキット 種別
開幕 セント・ピーターズバーグ 市街地
2 フェニックス・レースウェイ オーバル
3 ロングビーチ 市街地
4 バーバー・モータースポーツ・パーク ロード
5 インディアナポリス ロード
6 インディ500 オーバル
7 デトロイト 市街地
8 デトロイト 市街地
9 テキサス・モータースピードウェイ オーバル
10 ロード・アメリカ ロード
11 アイオワ・スピードウェイ オーバル
12 トロント 市街地
13 ミド・オハイオ ロード
14 ポコノ・レースウェイ オーバル
15 ゲートウェイ・モータースポーツパーク オーバル
16 ポートランド・レースウェイ ロード
最終 ソノマ・レースウェイ ロード

2018年のVerizonインディカーシリーズの公式ドライブは、2月9日から10日にかけて行われるフェニックス・レースウェイでの2日間のオープンテストから始まる。

参戦チームとドライバー

フル参戦するのは全9チーム。第101回インディ500を制した佐藤琢磨は、アンドレッティ・オートスポーツからレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングに移籍。グラハム・レイホールをチームメイトに迎え、初の年間王者獲得を目指す。琢磨はプレシーズン・フェニックス・オープンテストを総合トップで締め括り、念願のシリーズ王者獲得に向けて期待が高まっている。

アンドレッティ勢は、琢磨に代わり昨年のインディ500にA.Jフォイトから参戦したザック・ビーチが加入。ジョセフ・ニューガーデンは2連覇を目指す。王者ペンスキー勢は、エリオ・カストロネベスがインディ500のみのスポット参戦に。昨年4台体制で挑んだチップ・ガナッシは、2010年以来となる2台体制となる。

インディ500のスポット参戦組はカストロネベスを含めて全4名。アンドレッティからはステファン・ウィルソン、ラジアー・パートナーズ・レーシングからはバディ・ラジアー、シュミット・ピーターソン・モータースポーツからはトリスタン・ヴォーティエが予定されている。

全戦フル参戦するドライバーは以下の通り。

チーム エンジン ドライバー
レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング ホンダ 佐藤琢磨
グラハム・レイホール
アンドレッティ・オートスポーツ ホンダ マルコ・アンドレッティ
ライアン・ハンターレイ
アレキサンダー・ロッシ
ザック・ビーチ
チーム・ペンスキー シボレー ジョセフ・ニューガーデン
ウィル・パワー
シモン・パジェノー
チップ・ガナッシ・レーシング ホンダ スコット・ディクソン
エド・ジョーンズ
デイル・コイン・レーシング ホンダ セバスチャン・ブルデー
エド・カーペンター・レーシング シボレー スペンサー・ピゴッド
ハーディング・レーシング シボレー ギャビー・チャベス
シュミット・ピーターソン・モータースポーツ ホンダ ジェームズ・ヒンチクリフ
ロバート・ウィッケンズ
A.J.フォイト・エンタープライズ シボレー トニー・カナーン
マティウス・レイスト
カーリン シボレー チャーリー・キンボール
マックス・チルトン

6シーズンに渡るNASCARを経て、ダニカ・パトリックがインディ500に復帰する。パトリックが最後にインディ500を走ったのは2011年、2018年のインディアナポリス500は、引退を発表している彼女にとってキャリア最後のレースとなる。

主なレギュレーション変更

一番の注目点はユニバーサルエアロキットの導入。インディカー・シリーズのCEOを務めるマーク・マイルズは、同型シャシーの導入によってより興奮に満ちたシーズンになると自信をみせている。2012年以降、インディカー・シリーズではホンダとシボレーが各々独自開発したエアロキットを使用していたが、コスト削減とレースでのバトル増加のために共通化された。

  • 全チーム共通のユニバーサルボディーワークが導入
  • F1に似たLCDステアリング・ホイールを採用

新マシンはロング&ローのスタイリッシュな外観を備えながらも横方向からの衝突安全性が向上、”エアボーン“と呼ばれる車が宙返りする事故への対策も強化される。乱流発生を抑制するためにマシン上部の細かな空力パーツが整理され、その代わりにフロアでダウンフォースを稼ぐ設計となっている。

昨年のマシンが総ダウンフォースの47%をフロアで稼いでいたのに対して、18年マシンは66%をフロアで稼ぎ出す。これによってリアウイングの面積は73%に減少し、マシン後方の乱流が低減、オーバーテイクチャンスが増えるという算段だ。

ただし新エアロによるてダウンフォース全体の量は2割減少、濡れた路面コンディションでのグリップ低下等が予想されており、これに対処すべく、ファイアストンは新しいレインタイヤを導入する。

なお、米携帯ネットワーク大手ベライゾンがインディカー・シリーズのタイトルスポンサーを務めるのは今シーズン限り。チーム・ペンスキーとの個別パートナーシップは2019年以降も継続される。

テレビ放送

2018年のインディカー・シリーズは例年通りGAORA SPORTSで生放送される。視聴には、スカパーひかりTVとの契約が必要となる。