インディカー 第11戦アイオワ:佐藤琢磨 今季ベストの3位表彰台!インディ500以来の最高成績に「意義ある成果」
2018年インディカー・シリーズ第11戦アイオワが現地7月8日に行われ、シュミット・ピーターソン・モータースポーツのジェームズ・ヒンチクリフがスペンサー・ピゴット(エド・カーペンター・レーシング)を2位に従え、26戦ぶりの優勝を飾った。3位表彰台にはレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの佐藤琢磨。2017年のインディアナポリス500で優勝して以来の最高成績を挙げた。
レースを終えた琢磨は、今シーズン初めての表彰台に「本当に、本当にうれしいです」と思いを語った。「今日、僕とスペンサー(ピゴット)はサイドバイサイドのバトルを何度も行いました。互いを尊敬したバトルがずっと行われました。ファンにとっても見ていてエキサイティングなレースになっていたのではないでしょうか」
「表彰台にまた上ることができてうれしいです。チームは意義ある成果を獲得したと思います。今週末の私たちは苦戦気味でしたが、エンジニアたちがファンタスティックな仕事をしてくれたことでマシンはプラクティス、予選、決勝と大きな進歩を続けました。そして最終的に、私たちは非常に競争力の高いマシンを作り上げることになったのです。チームに感謝します」
アイオワ・コーン300の舞台はアイオワ州ニュートンにあるアイオワ・スピードウェイ。シリーズ最短の全長0.894マイル=1.44kmと小さいながらも、バンクが最大14度と大きいためハイスピードバトルが見所。今季導入されたユニバーサルエアロキットによってダウンフォースが大幅に減少した結果、各ドライバーは非常に難しいドライビングを強いられた。
セットアップが決まっているマシンとそうでないマシンとの差が如実にラップタイムに反映されるオーバルコース。僅かでもセッティングがコンディションにマッチしていないマシンはスピードが伸びないままに、次々にラップダウン。レースを終えてみれば955回ものオーバーテイクが観測された。
10番手からスタートした琢磨は、中盤以降上位車を確実に仕留めていき、300周のレースの225周目にはラップリーダーに。レースを戦う中で、マシンの状態を仕上げていった。だが、最後のピットストップは少しタイミングが遅く、摩耗したタイヤでの周回が多くなったことで他社のアンダーカットを食らう形に。コースに戻ると5番手に後退していた。
それでも琢磨は諦めることなく、上位4台との差を少しずつ削り取る走りを見せた。残り周回数が10周というところで、ついに琢磨はピゴットのマシンをロックオン。追い抜きのタイミングを慎重に見極めに掛かった。ところが、残り6周で目の前を走っていた周回遅れのエド・カーペンターがハーフスピン。琢磨がこれに巻き込まれフルコースコーションとなった。
琢磨はマシンにダメージを負ったものの、燃料が足らずピットに入った上位陣を尻目にステイアウト。コース清掃には思いのほか時間がかかり、グリーンフラッグが振られる事はなくそのままイエローチェッカーで3位フィニッシュを果たした。
誰もが琢磨のマシンの状態を心配し、グリーンが振られる事なくそのままレースが終わる事を望むような状況であったが、当の本人はレース再開を期待していた。
「車にダメージはなかったのでグリーンになればもっと上を目指せたかなと思います。今日は多くのドライバーが苦しんだ中で良いレースができ、チームのみんなに感謝したいです」
https://www.youtube.com/watch?v=uReGnrrXCSI
インディカー第11戦アイオワ決勝順位結果
Pos. | Start | Driver | Team |
---|---|---|---|
1 | 11 | ジェームズ・ヒンチクリフ | Schmidt Peterson |
2 | 18 | スペンサー・ピゴット | Ed Carpenter |
3 | 10 | 佐藤琢磨 | Rahal |
4 | 2 | ジョセフ・ニューガーデン | Team Penske |
5 | 7 | ロバート・ウィッケンズ | Schmidt Peterson |
6 | 1 | ウィル・パワー | Team Penske |
7 | 12 | グラハム・レイホール | Rahal |
8 | 4 | シモン・パジェノー | Team Penske |
9 | 5 | アレキサンダー・ロッシ | Andretti |
10 | 9 | エド・カーペンター | Ed Carpenter |
11 | 15 | セバスチャン・ブルデー | Dale Coyne |
12 | 6 | スコット・ディクソン | Chip Ganassi |
13 | 8 | エド・ジョーンズ | Chip Ganassi |
14 | 17 | チャーリー・キンボール | Carlin |
15 | 21 | マックス・チルトン | Carlin |
16 | 19 | マルコ・アンドレッティ | Andretti |
17 | 13 | トニー・カナーン | AJ Foyt |
18 | 20 | ザカリー・クラマン・デ・メロ | Dale Coyne |
19 | 3 | ライアン・ハンター=レイ | Andretti |
20 | 14 | ザック・ビーチ | Andretti |
21 | 16 | ギャビー・チャペス | Harding Racing |
22 | 22 | マテウス・レイスト | AJ Foyt |