フェルスタッペンを歯牙にもかけず、チームオーダーの必要性も否定するサインツとルクレール
F1ハンガリーGP予選で2-3グリッドを手にしたフェラーリドライバー達は、決勝に向けてポイントリーダーのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)を歯牙にもかけず、チームオーダーの必要性も否定した。
タイヤの熱入れに苦しんだ事でジョージ・ラッセル(メルセデス)にポールを許したものの、カルロス・サインツは僅差の2番手タイムを刻み、ポイントランキング2位のシャルル・ルクレールも3番手を確保した。
一方でタイトル争いのライバル、フェルスタッペンはQ1の1回目の計測ラップでミスを喫し、最終アタックではエンジンのパワーロスに見舞われ、まさかの予選10番手と劣勢に追い込まれた。
ハンガロリンクはカレンダーの中で最もオーバーテイクが困難なコースの1つであり、フェルスタッペンとの間に6台ものマシンが連なる状況はフェラーリにとって一定程度の安心材料とも思えるが、跳馬の二人はフェルスタッペンの位置を気にしてレースをするつもりはないと主張した。
「安全かどうかは分からないし、安全というのが何を意味するのかも分からないけど、明日の僕らの目標はマックスの位置にはあまりこだわらず、レースに勝つことだ」とサインツ。
「だってチャンピオンシップポイントを獲りたいなら、何より勝つことが一番重要なわけで、マックスの位置とは関係なく僕らは勝ちを狙いにいくつもりだ」
ルクレールは「マックスは10番手スタートだから、彼が前に戻るには少しばかり周回が必要かもしれない」と述べ、ある程度の安心材料だと認めつつも「僕らは自分たちのことに集中してレースを勝ち取るつもりだ」と付け加えた。
フェルスタッペンが下位に沈む状況は、ルクレールにとって選手権での損失を埋め合わせる絶好のチャンスとなる。
確かに理論上は、計144ポイントでランキング4位のサインツにもタイトルの可能性は残されているが、ハンガリーを含めて残り10戦という状況で本気でドライバーズタイトルを狙いに行くのであれば、レース中にチームオーダーを発動して計170ポイントでランキング2位のルクレールを先行させるのが懸命だ。
ところが、チームオーダー戦略の可能性について問われたルクレールは「明日に向けて特別なことは何もないと思う」と述べ、その必要性を否定した。
「結局のところ必要なのは最善の仕事をする事であって、自分自身に集中することが重要なんだ。その点において必要なものは何もないと思うし、兎に角、2台の間にリスクを持ち込まない事が大切だと思う」
サインツもまた「付け加える事はない」と述べ、ルクレールの見解に同意した。
チームオーダーの是非はさておき、サインツとしては通算2勝目を目指してポールポジションのジョージ・ラッセル(メルセデス)を追う事になる。
「まずはスタートを決めて、その後はタイヤマネージメントを徹底する事になると思う」とサインツ。
「昨日はどのコンパウンドでもかなりのデグラデーションがあったし、70周とレースは長く、かなりトリッキーなものになるはずだ。まだまだどうなるかは分からない」
「メルセデスのレースペースは未知数だし、彼らが今日みたいに速いかどうかも分からない」
「僕らとしてはオープンマインドで以て、兎に角、ベストを尽くす必要があるけど、週末を通してクルマのフィーリングはかなり良かったし、明日、速く走れると信じない理由は何処にもない」
30日(土)のF1ハンガリーGP予選では、ジョージ・ラッセル(メルセデス)がキャリア初のポールポジションを獲得。2番手にカルロス・サインツ、3番手にシャルル・ルクレールと、後方にフェラーリの2台が続く結果となった。
2022年F1ハンガリーGPの決勝レースは日本時間7月31日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周4381mのハンガロリンクを70周する事でチャンピオンシップを争う。