
レッドブル元代表ホーナー、アルピーヌF1株式取得へ交渉中。ブリアトーレ明かす
2025年5月にレッドブル・レーシングのチーム代表を解任されたクリスチャン・ホーナーが、アルピーヌF1チームへの出資を巡り交渉を進めていることが明らかになった。アルピーヌでエグゼクティブ・アドバイザーを務めるフラビオ・ブリアトーレが1月23日、協議が進行中であると認めた。
約20年にわたってレッドブルを率い、8度のドライバーズ選手権と6度のコンストラクターズ選手権をもたらしたホーナーは、代表解任に際して最大1億ドル(約157億円)とも報じられる巨額の和解金を得た後、かつて辛辣な言葉を向けたこともあるルノー系チームへの出資を検討している。
24%株式の行方、投資家グループが売却意向
交渉の焦点となっているのは、アルピーヌF1チームの株式24%を保有する投資家グループ「Otro Capital」の持ち分だ。
アルピーヌは2023年、チーム株式の24%を約2億ユーロ(約368億円)で投資家連合に売却した。その中心にいたのがOtro Capitalで、RedBird Capital PartnersやMaximum Effort Investmentsに加え、俳優のライアン・レイノルズ、ロブ・マクエルヘンニー、NFLスターのパトリック・マホームズ、ゴルファーのロリー・マキロイらが名を連ねている。
このグループは現在、持ち分の売却を視野に入れている。近年はF1チームの価値が急騰しており、成績が低迷しているとは言え、アルピーヌの株式価値も上昇していると見られる。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
チーム代表記者会見で談笑するクリスチャン・ホーナー(レッドブル・レーシング代表)とフラビオ・ブリアトーレ(アルピーヌF1エグゼクティブアドバイザー)、2025年5月30日(金) F1スペインGP(カタロニア・サーキット)
ブリアトーレは、2026年型F1マシン「A526」のローンチイベントで記者団に対し、ホーナーの交渉相手がアルピーヌやルノーではなく、あくまで少数株主側であることを強調。その取引が当事者間で合意に至った場合、残りの株式を保有するルノーがその取引を承認するかどうかを最終決定すると説明した。
「Otroは持ち分を売りたいと考えている。複数のグループが買収に関心を持っている。誰かが24%を取得した後、協議することになる」
さらに、「クリスチャンは我々と交渉しているのではない。彼はOtroと交渉しているだけだ」と語り、交渉の主体を明確にした。
ホーナーがOtroとの交渉に成功したとしても、残り76%を保有するルノーの承認がなければ取引は成立しない。最終的な判断権はルノー側にある。
ホーナーは2010年代後半、レッドブルがルノー製PUを搭載していた時期、その信頼性とパフォーマンス不足に対して公然と批判を繰り返した経緯がある。レッドブルは2019年、ルノーとの関係を解消しホンダPUへと切り替えている。
当時の発言が今なおルノー側に不快感を残しているのであれば、取引成立の障壁となる可能性は否定できない。だが、F1の歴史でも屈指の成功を収めてきた代表経験者としての手腕は、アルピーヌに新たな選択肢をもたらす可能性がある。
開幕戦を前に活発化するホーナー
ホーナーは現在、退職後の競業避止義務期間にあたる「ガーデニング休暇」中だが、その動向は活発だ。
2月末から3月初旬にかけ、オーストラリアのシドニー、メルボルン、パースでキャリアを語るステージショーを開催することを発表しており、3月8日のメルボルンでのシーズン開幕戦を前にオーストラリア入りする計画だ。
開幕まで約1ヶ月半。ホーナーはオーストラリアGPのパドックに姿を見せるのか。そこで何が起きるのか、はたまた何も起こらないのか。注目が集まる。