F1にエンジン供給するホンダ
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《ホンダF1》トロロッソとの新シーズンに向け体制一新、長谷川氏退任とテクニカルディレクター新設を発表

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ホンダF1レーシングは、2018年シーズンに向けてF1の運営体制を一新する。来季より、”現場指揮”と”研究開発及びレース・テスト運営”とで責任者を分ける2頭体制が採用され、現行のF1プロジェクト総責任者の役職は廃止される。

現場側のトップとして”テクニカルディレクター”が新設、2013年よりホンダ・パフォーマンス・ディベロップメント(HPD)のシニア・マネージャー兼レースチーム・チーフエンジニアを務めてきた田辺豊治(たなべ とよはる)氏が就任する。

前任の新井康久に代わり、昨年より”F1プロジェクト総責任者”の肩書でホンダのフォーミュラ1部門全体を統括していた長谷川祐介は退任。ホンダF1第3期(2000~2008年)でジャック・ビルヌーブや佐藤琢磨のレースエンジニアを担当、撤退直前にはエンジニアリングディレクターとして現場運営を統括した。新人事は2018年1月1日から有効、長谷川は本田技術研究所主席研究員の職に就く。

  • 現場トップ:田辺豊治
  • 開発トップ:HRD Sakura担当執行役員

HPDは米インディカー・シリーズ等、北米におけるホンダのレース活動を運営する組織。田辺氏は、1984年に本田技研工業(株)入社、第一期マクラーレン・ホンダでゲルハルト・ベルガー担当エンジニアを務めた後、B・A・R Hondaではジェンソン・バトンを担当。2008年にはF1開発の責任者を務めた経験を持つ。

執行役員ブランド・コミュニケーション本部長の森山克英氏は、今回の体制変更の目的について次のように説明する。

「これまで、F1プロジェクト総責任者が担っていた技術開発とレース現場指揮監督の責任範囲を分離し、開発とレース・テスト現場それぞれが、よりスピーディーに業務を遂行できる体制へと進化させます。開発現場とレース現場が各々の役割をしっかり果たすことで、Toro Rosso Hondaが上位争いをする姿を一日でも早くお見せできるよう挑戦を続けてまいります。引き続き皆さまの応援をよろしくお願いします」

2015年にF1に復帰したホンダが体制を一新するのは今回で2度目。参戦初年度は年間9位、2年目に6位になるも、3年目の今年も再び9位と下位に沈み続けている。3年間に渡るマクラーレンとのパートナーシップを終了したホンダF1は、来季よりイタリアのスクーデリア・トロロッソと手を組む。