フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)とサイド・バイ・サイドを繰り広げるセルジオ・ペレス(レッドブル)、2022年7月31日F1ハンガリーGP
Courtesy Of Red Bull Content Pool

ホンダとアルピーヌ、2023年のF1コスト上限規則に違反…FIAはABA提案の意向

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F1を統括する国際自動車連盟(FIA)は2024年9月11日、ホンダ・レーシング・コーポレーション(HRC)とアルピーヌ・レーシングSASが、F1パワーユニット(PU)メーカーを対象とするコスト上限規則に関する「手続き違反」を犯したと発表した。

F1では2021年よりコストキャップ規定が導入され、昨年からはPUメーカーにも同様の規定が適用された。これは過度な支出を制限してチャンピオンシップの長期的安定性を確保するとともに、競技者間の性能差を縮小して接戦を促すことを目的としている。

FIAのコストキャップ管理局(CCA)は、F1チーム及びPUメーカーから提出された2023年の会計報告期間に関する財務報告書を5か月かけて詳細に審査した。

F1チームについては、その全てが規則を遵守していることが確認されたが、PUメーカーについてはアルピーヌとホンダに「手続き違反」が認められた。

詳細は明らかにされていないが、いずれも支出限度額を超えるものではなく、FIAによると、ホンダとアルピーヌ双方は「常に誠意を持って行動しており、現在、CCAと協力してこの問題の最終的な解決に向けて取り組んでいる」という。

手続き違反の性質や規則の複雑さ、そしてルール適用初年度といった事情を踏まえてFIAは、両者に違反是認(ABA)を提案することで本件の解決を目指す意向だ。

ABAはFIAの指摘、つまり財務規則違反があった事を認め、CCAに制裁を委ねるという、レギュレーションで定められた一種の司法取引のようなものだ。

コスト上限ルールが初めて導入された2021年シーズンに手続き違反を犯したアストンマーチンは、FIAから提案されたABAを受け入れ45万ドルの罰金を支払った。

また、同年に予算を超過したレッドブルはABAを締結し、700万ドルの罰金と、空力開発テスト時間10%減のペナルティを受けた。

ホンダはディフェンディング王者のレッドブルおよびRBフォーミュラ1に、ルノーは傘下のアルピーヌにPUを供給している。