ハミルトン、フェルスタッペンの成功は「誇張されすぎ」歴代チームメイトを理由に
ルイス・ハミルトン(メルセデス)は「僕のチームメイトは誰もが、マックスのチームメイトより手強かった」と述べ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)の成功は過大評価されていると主張した。
F1オランダGPでの母国3連覇により138ポイントのリードを築き、3年連続のドライバーズタイトルをほぼ手中に収めたフェルスタッペンは、今週末のイタリアGPで史上最多となる10連勝記録に王手をかけている。
しかしながらハミルトンは、フェルスタッペンの功績は個人の資質というよりはチーム全体としての強さの現れだと考えており、チーム内闘争という点では自身よりも楽なキャリアを送ってきたとして、フェルスタッペンの成功、優位性は自身のそれと比べて「遥かに誇張されている」と主張した。
モンツァでの伊「Sky Sports」とのインタビューの中でハミルトンは「マイケル(シューマッハ)やセバスチャン(ベッテル)が支配し続けていた時、キミ(ライコネン)がドライブしていた時、フェルナンド(アロンソ)が勝っていた時ほど感銘を受けてはいない」と語った。
「つまり、チーム全体として最強なんだと思う」
「クルマは信じられないほど素晴らしく、ドライバーは素晴らしい仕事をしている。一貫性が高く、ピットクルーやメカニックの仕事も良く、戦略面でも素晴らしい。つまりアラがなく完璧だ」
「僕の個人的な意見では、バルテリ(ボッタス)を含めて、僕のこれまでのチームメイトは誰もがマックスのチームメイトより手強かった」
「ジェンソン(バトン)、フェルナンド、ジョージ(ラッセル)、バルテリ、ニコ(ロズベルグ)。たくさんのチームメイトがいたけど、誰もがみな、高い一貫性を誇っていた。でもマックスはこのようなドライバーとは対峙していない」
比較しようがないという点で結論づける事が不可能な問いであるため、ダニエル・リカルドやカルロス・サインツ、セルジオ・ペレスが、ジョージ・ラッセルやバルテリ・ボッタス、ニコ・ロズベルグより一貫性に劣るかどうかは意見が分かれるところだろう。
フェルスタッペンと同じシーズンにトロ・ロッソのチームメイトとしてデビューしたサインツは、ルノーとマクラーレンを経てフェラーリ移籍を掴み取るまでに至った幅広いチームで高い評価を受けた実力者だ。
また、4年連続のF1王者に輝いた直後のベッテルを撃破してレッドブルでの初年度を締め括ったリカルドがフェルスタッペンとチームメイト関係にあった当時、グリッド上で最も競争力のあるトップドライバーの1人と見なされていた事も疑いない。
確かに当時のピエール・ガスリーやアレックス・アルボンが、アロンソや絶頂期のバトンと肩を並べる存在であったかと言えば怪しいが、それでも彼らが、どういうわけかハミルトンが言及しなかったヘイキ・コバライネンより優れていないかと言えば、それもまた怪しいところだ。
Sky Sportsのマーティン・ブランドルは、フェルスタッペンに対するハミルトンの主張の「厳しさ」に「驚いた」と述べ、「確かにルイスには何人かの手強いチームメイトがいたが、私はダニエル・リカルドやセルジオ・ペレスといったマックスのチームメイトを見下すつもりはない。彼らはワールドクラスのレーシングドライバーだ」と付け加えた。
「ただルイスは(フェルスタッペンを)一切、評価したくないんだろうね」
物議を醸した2021年のタイトル争いとシーズンを通した何度かの衝突以降、ハミルトンとフェルスタッペンとの間には緊張が生じたが、グランドエフェクトカー時代が到来した2022年以降はコース上で争う機会もなく緩和傾向が続いていた。