スクーデリア・フェラーリHPドライバーズプレゼンテーションに参加するルイス・ハミルトン、2025年3月6日イタリア・ミラノ
Courtesy Of Ferrari S.p.A.

「ハミルトン効果」でフェラーリ商品が爆売れ─プーマ売上急増、“何倍”に跳ねた?移籍がもたらした驚異の化学反応

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2025年F1シーズン開幕とともにフェラーリへ電撃移籍を果たしたルイス・ハミルトン。その影響力はサーキットを超え、商業面でも絶大な効果をもたらしている。英メディア『SportBusiness』によると、スポーツブランドのプーマは、ハミルトンの加入以降、フェラーリF1関連商品の売上が8倍に急増したという。

フェラーリ×ハミルトン:商業的最強タッグ?

7度のF1ワールドチャンピオンであり、歴代最多となる105勝を誇るハミルトンの移籍は、モータースポーツの枠を超え、スポーツ界最大級の話題の1つとなった。12年間在籍したメルセデスを離れ、F1界最古にして最も伝統あるフェラーリに加入。両ブランドの相乗効果は計り知れない。

推定年俸5,700万ドル(約85億円)とされる複数年契約のもと、ハミルトンはフェラーリの新たな顔となった。契約発表直後にはIT大手ヒューレット・パッカード(HP)がタイトルスポンサーに就任し、2025年開幕前にはイタリアの大手銀行ウニクレディトとの大型契約も締結。チームの財務面も一層強化されている。

ミラノでの華やかな発表イベントとプーマの”飛躍”

シャルル・ルクレール(フェラーリ)が着用するレーシングスーツの背面に掲出されたプーマのロゴ、2025年3月6日イタリア・ミラノで開催されたスクーデリア・フェラーリHPドライバーズプレゼンテーションにてCourtesy Of Ferrari S.p.A.

シャルル・ルクレール(フェラーリ)が着用するレーシングスーツの背面に掲出されたプーマのロゴ、2025年3月6日イタリア・ミラノで開催されたスクーデリア・フェラーリHPドライバーズプレゼンテーションにて

シーズン開幕前、フェラーリはミラノ市内で盛大なローンチイベントを開催。ハミルトンとシャルル・ルクレールが旧車(SF90とSF21)でデモランを披露し、多くのファンが詰めかけた。このイベント以降、プーマのフェラーリ・コレクションへの注目度が爆発的に高まり、前年同時期と比べて売上が8倍に跳ね上がったと報じられている。

ハミルトンはメルセデス時代からプーマと提携しており、同ブランドの顔としても認知度が高かった。プーマの競合であるアディダスは2025年に向けてメルセデスと契約を結び、同社初のF1参入を果たした。メルセデスのトト・ウォルフ代表は、「ルイスはアディダスとの契約に参加できなかったことを残念がっていた」と明かしている。

サーキット上では苦戦も、ブランド価値は健在

一方で、ハミルトンのフェラーリでの船出は決して順風満帆とは言えない。開幕戦オーストラリアGPではウェットコンディションの中で10位フィニッシュ。第2戦中国GPではスプリントでポール・トゥ・ウィンを達成したが、決勝ではプランクの過度な摩耗により、6位フィニッシュながらも失格処分を受けた。

それでも、その人気と影響力は揺るがない。商業的な側面ではすでに“ハミルトン効果”が如実に現れており、フェラーリにとってはチームのブランド価値向上と新たなファン層獲得において、極めて大きな資産となっている。