ポジションを争うフェラーリのルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレール、2025年3月23日(日) F1中国GP決勝レース(上海インターナショナル・サーキット)
Courtesy Of Ferrari S.p.A.

F1、”ハミルトン無線騒動”を受け釈明―演出疑惑でフェラーリ「茶番」と非難

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2025年FIA-F1世界選手権第2戦中国GPにおいて、ルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールの順位交代に関する無線の一部が国際映像で放送されなかった件について、F1の商業権を管理するフォーミュラ・ワン・マネジメント(FOM)が釈明した。

演出疑惑の無線、フェラーリがFOMに抗議

騒動の発端となったのは、レース中盤に向けてルクレールがハミルトンを猛追した際の無線でのやり取りだった。ハミルトンは自身のペース不足を理由に、自発的にチームへ順位交代を提案していたが、このメッセージは国際映像では放送されなかった。

放送されたのは、担当レースエンジニアのリカルド・アダーミが「ターン14でポジションを入れ替える」と告げ、ハミルトンが「彼がもっと近づいたらね」と返した場面からだった。その後、アダーミが「この周で入れ替えたい。今すぐ交換してくれ」と伝えると、ハミルトンは「交換する時はこちらから伝える」と返答した。

最初のメッセージが放送されず、後半の無線内容だけが放送されたことで、ハミルトンがチームオーダーを渋っているかのような印象を視聴者に与えた可能性があり、フェラーリのフレデリック・バスール代表は不快感を示した。

バスールは、「茶番だ。最初に交代を申し出たのはルイスなのに。FOMは番組を盛り上げるために、その後半部分だけを放送したんだ」とF1側を非難し、「この件についてFOMと話すつもりだ」と語った。

FOMは演出意図を否定

バスールの発言を受け、F1の広報担当者は翌日、「誤解を招くような演出を意図したものではない」と釈明。「放送されなかったのは、同時に発生していた他の状況が優先されたためであり、特定の意図をもって編集されたものではない」と強調した。

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