FIAのジャン・トッド会長とフォーミュラE会長のアレハンドロ・アガグ
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フォーミュラEが遂にF1と同格に、2020年開幕のシーズン7より「FIA世界選手権」に格上

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フォーミュラE選手権が2020年に開幕のシーズン7より、FIAの世界選手権格を得る事が決定した。世界モータースポーツ評議会(WMSC)での投票を経て、フォーミュラEのアレハンドロ・アガグ創設者兼会長と、FIAのジャン・トッド会長が、パリのコンコルド広場にあるFIA本部にて合意書に署名した。

フォーミュラEはこれまでFIAの管轄下にはあったものの、世界選手権=WORLD CHAMPIONSHIPとして開催されていたわけではなかった。シーズン7より世界選手権のステータスを得たことで、フォーミュラ1世界選手権、世界ラリー選手権(WRC)、世界耐久選手権(WEC)、そして世界ラリークロス選手権と肩を並べる事になる。

世界選手権格を有していなかったため、これまでフォーミュラEでは、各イベントを”グランプリ”ではなく”e-Prix”と呼んできた。現時点では特に発表はなされていないが、イベントの呼称が変更される可能性もある。

ジャン・トッド会長は、フォーミュラEの選手権としての質が年々向上しているとしたうえで「このシリーズは自動車産業界との親和性が高く、今季は新たに大手自動車メーカーが2社参戦(メルセデスベンツ、ポルシェ)し、計10のメーカーが名を連ねている。メーカー及び各チームは献身的で高いプロ意識を持ち、その結果としてドライバーラインアップの質が向上している」と述べ、フォーミュラEがFIAシングルシーター最高峰の仲間入りを果たした事に歓迎の意を表した。

世界最高峰のモータースポーツと称されるF1は、少なくとも2025年までは、マシンの動力源として内燃エンジンを使用するものの、自動車産業界はゼロエミッションの方向へと邁進しており、これは不可逆的な時代の潮流と考えられている。内燃エンジンと電動モーターがクロスオーバーする時、果たしてF1は自らのアイデンティティを何処に求めるのだろうか?