F1オーストラリアGP決勝レースのスタート直後のターン1の様子、2023年4月2日アルバート・パーク・サーキットにて
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FIA「重大な危険をもたらした」F1オーストラリアGP主催者に規定違反が発覚

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F1オーストラリアGPの主催者であるオーストラリアGPコーポレーションが安全確保のために義務付けられている規定を遵守せず「重大な危険をもたらした」として国際自動車連盟(FIA)は、至急、改善計画を提出するよう要求した。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がトップチェッカーを受けた後、レースが進行していたにも関わらず「大勢の観客がセキュリティラインを突破してコース上に立ち入った」事が問題視された。チェッカーから2分後、4度目の赤旗が提示された。

これを受けてスチュワードはオーストラリアGPコーポレーションを召喚するという異例の措置を採り、レース当日の4月2日(日)現地20時15分より聴聞会を開いた。

スチュワードによると、コース上になだれ込んだ観客は、7位でフィニッシュしたニコ・ヒュルケンベルグの27号車ハースVF-23に接触できるような状態だった。この時、クルマは放電の危険性を知らせるライトが赤く点滅していた。

主催者は過失があった事を「率直」に認め、これが「悲惨な結果を招きかねない容認できない状況」であることに同意。徹底的な調査を行い、来年のオーストラリアGPに間に合うよう、改善のための措置を講じると約束した。

スチュワードは「本イベントで実施されるはずだったセキュリティ対策やプロトコルが実施されなかった」として「観客、レース関係者、ドライバーに重大な危険をもたらした」と判断。合理的な措置を取らず危険な状況を生み出したとしてFIA国際競技規則第12条2項1.h違反があったと認めた。

そして「緊急に正式な改善計画をFIAに提示する」よう要請すると共に、この問題を世界モータースポーツ評議会(WMSC)に付託し、プロモーターが提示した「改善計画以上の追加措置や罰則適用が必要かどうかを判断するため、さらなる調査を行う」ことを通達した。

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