フェラーリ、現役F1副レースディレクターをヘッドハント
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スクーデリア・フェラーリは14日、FIA国際自動車連盟のセキュリティ・ディレクターを務めているローラン・メキーズを起用する事を発表した。メキーズは9月20日付でフェラーリに入社し、テクニカル・ディレクターのマッティア・ビノットの下で職務にあたる。
メキーズは2001年にレースエンジンビルダーのアジアテックに加入しF1のキャリアをスタート。同社でエンジンレース・エンジニアを務めた後、ミナルディに移籍。2005年からはスクーデリア・トロロッソに職場を移し、12年から14年までは同チームのビークル部門のパフォーマンス責任者を務めていた。
FIAに籍を移したのは2014年、セキュリティ部門の責任者として従事しつつ、昨年1月以降はF1副レースディレクターを兼任。レースディレクターのチャーリー・ホワイティングと共に、2017年シーズンのF1を支えてきた。FIAを離職するのは6月末、セキュリティ・ディレクターとしての仕事は続けるものの、副レースディレクターの職務は同日付で辞する。
昨年10月、ルノー・スポールがFIAの技術部門責任者を努めていたマルチン・ブコウスキーを引き抜き、ライバルチームの猛反発を買った事は記憶に新しい。ブコウスキーは全チームのマシンの秘密知り得る立場にあった。同氏は4月から職務を開始、ルノーF1の車体開発とマシン製造に関する監督全般を担当する。
FIAにおけるメキーズの役職はブコウスキーのもの程繊細ではないが、FIAにとっては少なからず痛手となる。メキーズは今季のF1に導入されたコックピット保護装置”ハロ”の開発に従事していただけでなく、ホワイティングの後任としての役割が期待されていた。
FIAは先週、フェラーリの元チーフデザイナー、ニコラス・トンバジスをシングルシーターの技術部門責任者に任命。テクニカル・ディレクターのジル・サイモンの下で職務を開始している。