フェラーリSF1000とフェラーリのクルー、2020年F1シュタイアーマルクGPcopyright Ferrari S.p.A.

弱り目に祟り目のフェラーリF1、母国イタリアから酷評の嵐「バーチャルレースのつもりか?」

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スクーデリア・フェラーリのかつての指揮官、ロス・ブラウンが懸念していた通り、レッドブル・リンクでの2連戦による2020年のシーズン開幕を終え、マラネロのチームがイタリアメディアからの激しい批判に晒されている。

空力学的な欠陥を修復すべく、フェラーリは予定していたアップグレードパッケージを1週間前倒しでシュタイアーマルクGPに投入したが、予選ではまたしても1台がQ2敗退を喫し、更には他車の進路を妨害したとしてシャルル・ルクレールは3グリッド降格を受けた。

挙句の果てに決勝ではオープニングラップで同士討ちを喫し、新パーツのデータすら収集できないままに2台共がガレージに引っ込んだ。

F1の競技部門を率いるブラウンは、ファクトリーの懸命の努力に触れて「こうした事態は今後更にフェラーリにとって大きな痛手となるだろう」と予想。加えて、フェラーリ特有の課題に言及した。

「フェラーリにとって最大の問題のひとつは、グリッド上にあるすべてのチームの中でも特にメディアから最も厳しい目で見られていることだ。特にイタリアがそうだ。私は自分の経験上、イタリアメディアからの圧力が著しく激しい事を知っている。(トップの人間は)スタッフ達に影響が及ばないようにしなければならない」

ブラウンの懸念は的中する。

トリノのスポーツ紙トゥットスポルトはレース翌日「シーズン前の予想通りに、フェラーリはすでに敗北している。クルマも哲学もドライバーも駄目。契約を巡る一連の状況のためにベッテルは完全に混乱しており、ルクレールはまだオンラインのバーチャルレースで走っていると思っている。お先真っ暗だ」と痛烈に批判した。

またラ・ガゼッタ・デッロ・スポルトは「フェラーリの悪夢。SF1000に未来はない。”マーフィーの法則”はまもなく”フェラーリの法則”と呼ばれるようになるだろう。懸念材料があればそれは実際に顕在化する、という様に。昨日の我々はブラジルでのリメイク作品を目の当たりにし、ルクレールが幕を閉じた」と酷評した。

フェラーリは僅か3戦前にも同士討ちを喫していた。インテルラゴス・サーキットで開催された2019年F1ブラジルGPでは、セバスチャン・ベッテルとルクレールが共にチームとマッティア・ビノット代表に謝罪したが、今回の事故ではルクレールのみがチームに詫びる事となった

イタリア出身の元ルノー代表、フラビオ・ブリアトーレは事故を引き起こしたルクレールについて「チームの仕事を尊重すべきだ。私なら給与の5~10%の罰金を科しただろう」と述べ、身銭を切って痛みを分からせるべきだと主張した。対して元跳馬ドライバーのジャン・アレジは、SF1000は「生まれながらに酷いクルマ」だとして、ドライバーに非はないとの考えを示している。

批判はイタリア国内にとどまらない。スペインのマルカはダブルDNFのレースを振り返り「赤の悪夢」と題した記事をリリース。「フェラーリは深い悪夢の中にいる」と綴った。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で短期決戦となる2020年シーズン。2戦を終えてフェラーリは、コンストラクターランキングでレーシングポイントとマクラーレンの後ろ5位に甘んじている。挽回は可能だろうか? スクーデリアにとって1000戦目の節目となるムジェロでのトスカーナGPは黒歴史となってしまうのだろうか? ブラウンは次のように付け加えた。

「経営陣は問題に対処して、スタッフが信念を持ってやるべき事に集中できるような環境を作らねばならない。一夜にして好転するわけはなく、長い道のりが待っている。そして、クルマに根本的な問題があるかどうかを早期に発見する必要がある。なぜなら彼らのペースは明らかに遅れているからだ」