
序列変わらず? フェラーリ、新型PU投入を正式発表。オーストリアGPでADUO活用第一弾
スクーデリア・フェラーリは、2026年F1第8戦オーストリアGPで追加開発・アップグレード機会制度(ADUO)を活用したアップグレード版パワーユニット(PU)を投入することを正式に発表した。
国際自動車連盟(FIA)はADUOのベンチマークをレッドブルと位置づけ、フェラーリを「4%以上」遅れを取っているメーカーと判断した。これにより今年2回のアップグレードが認められたフェラーリは、パワーがラップタイムに与える影響が大きいレッドブル・リンクで最初のアップグレードをいち早く導入する。
前戦でのルイス・ハミルトンの勝利を経てフェラーリは、メルセデスとのタイトル争いに向けて勢いづいているものの、今回の新スペックPUを競争力向上の切り札とは位置付けていない。
「序列を変えるものではない」改良PUの位置づけ
PU部門のテクニカル・ディレクターを務めるエンリコ・グアルティエーリによれば、今回投入される新スペックは、「ここ数週間を通して開発プログラムで得られた成果を実戦に反映するもの」だという。
ただしフェラーリは、過度な期待を抱いてはいない。グアルティエーリは今回のアップデートを「比較的小規模なもの」と位置付け、「それ単独で競争力の序列を変えるものではない」と強調する。
「これほど競争が激しい場合、特に現在のホモロゲーションや開発上の制約を踏まえれば、ひとつのアップデートが全体像を変えると期待するのは現実的ではない」
「パワーユニット開発は通常、長いサイクルを要する。特に大幅な変更には、より集中的な研究開発と広範な検証作業が必要だからだ」
「そのため、シーズン中に大規模なコンセプト変更やアーキテクチャの変更が行われることは稀だ。特に、それがマシンへの搭載や統合、運用条件に影響する場合はなおさらだ」
「パフォーマンスは段階的に築かれるものであり、ハードウェア変更だけでなく、レースごとにどれだけ効果的にパッケージを最適化できるかにも左右される」
重要なのは「継続的な開発」とPU開発責任者
グアルティエーリは、新たなレギュレーションが導入された初年度のタイトル争いにおいては、継続的な開発が重要だと指摘する。
「この新たなレギュレーション初期の段階では、各車の性能はまだ収束していない。だからこそ、高い開発ペースを維持することは、一つのパーツがもたらす絶対的な性能向上と同じくらい重要だ」
そのためにフェラーリは、サーキットで得た知見を迅速に開発プロセスへと反映し、それを再び実戦に反映するサイクルを重視しているが、それと同時に、信頼性も維持していくことが不可欠だとグアルティエーリは続ける。
また、「一部のライバルメーカー」は現時点でフェラーリより優れた仕事をしてきたと認めつつ、「だが、それは恐れるべきものではない。むしろ刺激であり、明確な目標となっている」と語り、巻き返しに向けたモチベーションの高さを強調した。
フェラーリがADUOを活用してアップグレードを投入する一方、アウディも主にドライバビリティの向上を目的として前戦でPUに小規模な改良を施したとみられている。
一方、レッドブルは依然としてFIAによるADUOプロセスの再検証の結果を待っている状況であり、現時点ではアップグレードが許可されていない。