キャデラック、アストンマーティン・ホンダを突き放すか。F1オーストリアGPで「大規模アップグレード」投入へ

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キャデラックF1チームは、今週末の2026年F1第8戦オーストリアGPに「大規模なアップグレードパッケージ」を投入する。新型サイドポッドとフロアを核に据える改良を通じて、目標に掲げる中団グループへの接近を狙う。

今年F1に新規参入したキャデラックは、シーズン開幕当初こそ最後尾に沈んでいたが、「MAC-26」への継続的なアップデートで着実に競争力を高めており、今回のアップグレードによって最下位争いのライバルであるアストンマーティン・ホンダとの差をさらに拡大する可能性もある。

レッドブル・リンクに持ち込むアップグレードについて、チーム代表のグレアム・ロードンはこう説明する。

「今週末、再び大規模なアップグレードパッケージを持ち込めることをうれしく思う。これは、新しいサイドポッドとフロアを含む、かなりの作業量を伴うものだ。中団への着実な追い上げという流れを継続できることを期待している」

キャデラックはこれまでも段階的に改良を重ねてきた。モナコGPではリアウイングと排気系をアップグレードし、続くバルセロナ・カタロニアGPではリアウイングと冷却性能をさらに改善させた。

バルセロナで中団に急接近したキャデラック

ポジションを争うフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・ホンダ)とバルテリ・ボッタス(キャデラック)、2026年6月14日(日) F1バルセロナ・カタロニアGP決勝(カタロニア・サーキット)Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

ポジションを争うフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・ホンダ)とバルテリ・ボッタス(キャデラック)、2026年6月14日(日) F1バルセロナ・カタロニアGP決勝(カタロニア・サーキット)

継続的な開発の成果は、前戦バルセロナで具体的な数字となって表れた。セルジオ・ペレスはQ1最速タイムからわずか1.9秒差につけ、アストンマーティン・ホンダ勢を1.2秒上回ってみせた。

ペレスは「毎週末、チームとして前進していることを感じている」と手応えを示す。

「開発のペースはかなり良好だ。ファクトリーの誰もが新パーツを現場に届けようと全力で取り組んでくれている。今週末のアップグレードが、さらなる一歩をもたらしてくれることを期待している」

バルセロナでキャデラックに完敗したアストンマーティン・ホンダは、サマーブレイク前後に計画されている今季初のアップグレードパッケージが投入されるまで、忍耐の週末を強いられることになる。

フェルナンド・アロンソは母国での前戦を終えて、「今後5戦も同じような状況になると思う。クルマにアップグレードがないからね。少し苦戦するだろう」と厳しい見通しを示している。

なおキャデラックは今週末、マシンのカラーリングにも手を加える。ファンから好評を博したマイアミGP仕様に近づける形で、「ビジュアルアイデンティティを進化・洗練させる」という。

レッドブル・リンクで問われるMAC-26の信頼性

もっともキャデラックにとって、カレンダー屈指のパワーサーキットとして知られるレッドブル・リンクは、一筋縄ではいかない舞台となる可能性もある。

このコースは“マシンクラッシャー”の異名を持つほどマシンへの物理的負荷が高く、さらに高い標高と路面温度がエンジンやブレーキの信頼性を厳しく問う。信頼性は依然として「MAC-26」のアキレス腱となっている。

バルテリ・ボッタスは信頼性トラブルにより、直近2戦でリタイアを強いられている。特にモナコとバルセロナではブレーキの問題が頻発し、バルセロナの決勝ではオーバーヒートに見舞われた。空気密度が低いレッドブル・リンクでは、冷却面への負担がさらに増すことになる。

キャデラックは第7戦終了時点で、全11チーム中唯一まだポイントを獲得できていない。モナコではペレスが10位でフィニッシュしたものの、スタート規定違反により15位降格となり、入賞を逃した。

今回のアップグレードによってキャデラックはチーム初となるポイント獲得に近づけるのか。そしてアストンマーティン・ホンダとの差をさらに広げることになるのか。レッドブル・リンクでの表彰台獲得経験を持つペレスとボッタスの走りに注目が集まる。

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