
F3王者マルタンス、ウィリアムズF1育成に加入―アルピーヌとの決別を経て
2022年のFIA-F3選手権チャンピオン、ビクター・マルタンスが、アルピーヌとの決別を経て、ウィリアムズ・レーシングのドライバーアカデミーに加入した。2025年3月31日にウィリアムズが発表した。
23歳のフランス人ドライバーは今後、F1昇格を見据えた育成プログラムの下、同チームから包括的なサポートとトレーニングを受けることになる。今週末にはTPC(旧車テスト)の一環として、同じくアカデミー所属のルーク・ブラウニングと共に、イタリア・モンツァで2023年型F1マシン「FW45」のステアリングを握る。
マルタンスは「ウィリアムズの一員になれて本当にうれしい。このアカデミーは、F1を目指す上で最高の環境だと感じている。今年はF2でタイトル獲得を目指し、トラック内外で学びを深めたい」と抱負を語った。
ウィリアムズのスポーティングディレクター、スヴェン・スミーツは「ビクターのような才能あるドライバーを迎えることができ、本当に嬉しく思う。彼はタイトルを勝ち取れる実力があることを繰り返し証明してきた」と述べ、今後の成長に期待を寄せた。
マルタンスは2022年、ARTグランプリからFIA-F3に参戦し、2勝を含む6度の表彰台を獲得し、最終戦モンツァでの劇的な勝利によりシリーズチャンピオンに輝いた。翌2023年にはFIA-F2にステップアップし、ルーキーイヤーながら年間ランキング5位を獲得。チームメイトのテオ・プルシェールとともに、ARTグランプリのチームタイトル獲得に貢献した。
2024年も引き続きARTグランプリからFIA-F2に参戦し、バルセロナのスプリントレースでの優勝を含む5度の表彰台を記録したものの、年間ランキングは7位にとどまり、前年から後退する結果となった。シーズン終了後には、長年所属していたアルピーヌのドライバー育成プログラムからの離脱も発表され、キャリアの転機を迎えていた。