2020年よりFIA-F2選手権に投入されるピレリ18インチタイヤとマリオ・イゾラ
Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

FIA-F2選手権、F1に先駆けて2020年より大口径18インチタイヤを採用

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F1とFIA国際自動車連盟は第5戦スペインGP開幕を翌日に控えた9日、2021年に予定されているF1での18インチタイヤへの切り替えに先立って、2020年からFIA-F2選手権に18インチのピレリタイヤを投入する事を発表した。

F1は新レギュレーションが発行される2021年に、18インチの扁平タイヤ(ロープロファイルタイヤ)を採用しタイヤブランケットを廃止する事が決定している。近年の自動車業界においてはホイールが大口径化している一方、外径670mmの肉厚タイヤに13インチホイールを履いており、市場のトレンドとは大きく乖離している。

ピレリはF2側の協力を得て、2019年のシーズン中にF2シングルシーターを使ったテストプログラムを計画しており、5月8日にF2のテクニカル・ディレクターを務めるディディエ・ペリン立ち会いのもと、イタリアのムジェロ・サーキットでシェイクダウンを実施した。

F2での18インチ採用について、ピレリのレーシング部門の責任者を務めるマリオ・イゾラは「我々にとっては、2021年用の新世代F1タイヤの開発にとって有益であり、来年のF2ドライバーにとっては、将来的にF1にステップアップする際の経験になる」と語った。FIAはF2をF1への登竜門・トレーニング場と位置づけている。

F1のチーフテクニカルオフィサーを務めるパット・シモンズは「ピレリとF2が今後16カ月で収集できるデータの量は、フォーミュラ1の次世代タイヤにとって非常に重要な意味を持つだろう」と述べ、F1への18インチ導入がスムーズに進む事に期待感を示した。

また、FIAシングルシーター委員会の委員長を務めるステファノ・ドメニカリは「世界トップレベルのレーシングドライバー及び最新テクノロジーの開発場であるF2の役割を強調する動きだ」と語り、F1を頂点とする4輪モータスポーツのヒエラルキーが一層確固たるものになったとの認識を示した。

ピレリは今シーズン中に、2018年型F1マシンを使用した18インチタイヤのテストを行う計画を立てており、秋口以降に合計6日のテストを行う方針を示している。

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