開催危ぶまれるF1ベトナムGP、従業員を危険に晒す事は許されない…F1上層部に発破

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猛威を振るう新型コロナウイルスの影響で、F1第4戦中国GPが延期された。とは言え、F1会長チェイス・ケアリーが認める通り、開催代替日の決定は極めて困難であり最終的には中止の運びとなる公算が高い。だが、開催が危ぶまれているグランプリは他にもある。

本拠地ウォーキングで新車「MCL35」を発表した後、マクラーレンのザク・ブラウンCEOは、計画通りにベトナムGPを開催する事による潜在的リスクについて言及。状況を監視していくと語った。今年のカレンダーに新たに加わったF1ベトナムGPは、首都ハノイに建設中の半市街地コースで4月5日に決勝が行われる。

「まだ取り上げられてはいないが、ベトナムは潜在的な問題を抱えている」とザク・ブラウンCEO。予定通りの開催を望んでいるF1首脳陣に対して発破をかけた。「我々は従業員たちを危険にさらすような事は断じてしない。フォーミュラ1もそのような事はしないはずだ」

ベトナムと中国は国境を接しており、レースが開催されるハノイは、フォーミュラEのレース延期が発表された三亜から直線で300km足らずの距離に位置している。

ベトナム保健省の発表によると、ベトナム国内には2月11日の時点で15名が感染しているとされ、政府当局は2月1日に公衆衛生上の緊急事態を宣言し、中国を行き来する全ての国際線のフライトを禁止した。また感染拡大防止のために、北部ビンフック省は省内にある人口1万人規模の村を13日より封鎖する措置を実施。緊張が高まっている。

中国に続いてベトナムも中止に追い込まれると、F1は4月に予定していた全てのグランプリを失う事となり、3月22日の第2戦バーレーンGPが終わると5週間もの大きな穴が開く事になる。

ランド・ノリスは上海でのレースが延期されたことについて「残念だけど、安全というものは高くつくものだよね。お金やスポンサー、その他すべてのものよりね。残念だけど、決断は正しいと思う」と語った。

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